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2008年8月

2008年8月31日 (日)

闇の子供たち

Yami とても重いテーマの作品です。真夏の陽光の下、夏休み真っ盛りの大都会のシネコンで見ましたが、お子様向け作品を見に来ている幸せそうな親子連れの人並みをかき分けながら、金属の固まりを飲んだような感覚での帰途になりました。

 途上国における闇社会、貧困からくる悲劇、前編を通した悲惨な描写は、かなり現実を反映しているとのこと。

  本作で描かれた白人や日本人の幼児買春客たちは、憎むべき現実が存在していることを告発し、私たちが知らない影の世界を暴いて白日にさらしてくれます。  大多数の普通の者は、この変態野郎達を蔑み、悲惨な子供達の現実に心を痛めることになるのです。 売春宿でエイズに感染し、捨てられた少女がやっとの思い で故郷までたどり着き家族の元に戻りますが、その末路は本作中最も悲惨なシーンとして忘れられません。

 そして平行して描かれるもう一つ のおぞましきテーマ、生きた子供の臓器売買については? 梶川の立場に自分が立たされたらと考えたとき、突然その重さが圧倒的な現実感を持って迫ってきま す。この夫婦の言葉に、どこかで共感している自分の心に恐怖と嫌悪を抱いてしまいます。手術を阻止しようとする者、事実を告発しようとする新聞記者、我が 子を救いたい親、三者三様の思いが交錯する梶川家のシーンは、象徴的で、とても考えさせられる演出だと思いました。

 エンディングのワンシーンについては、賛否が分かれると思いますが、残念ながら私は違和感を抱きました。 上映終了後、これについての客同士の会話から、ストーリーの結末を一部曲解しているニュアンスが聞き取れ、その感を強めました。

 また、状況設定にやや強引さが見られるところ、終盤のアクションシーンの挿入の仕方など、やや首を傾げたくなるところがあるのが残念な部分ではあります。少しマイナス点でしょう。

 豊原功補演ずる清水が異国と日本の距離感を縮め、リアリティを高める役柄として印象に残ります。そして、タイ人の重要な登場人物男女二人が、日本人に対してぶつける激しい嫌悪感は、強烈なパンチを私達に食らわせます。

サスペンスとしての結末も楽しめますし、最後まで釘付けられる質の高い社会派作品として高評価したいと思います。


109シネマズMM21にて

2008年8月20日 (水)

おせんべいにイラスト・メッセージを印刷「ぷりんたぶるせんべい」お中元編

Hakusuisya   CMソング「わるならハイサワー!」でおなじみ、(株)博水社さまより、お中元用としてご用命頂きました。4種類のイラスト、ロゴ、キャッチコピーなどを組み合わせた大きい箱詰めをお作りいただき、全国のお取引先様などへのギフトとしてお送りしました。

 今夏初めてご用命いただき、同社HPなどを拝見いたしましたところ、社長は私とほぼ同世代の創業者から数え3代目女性とのこと。 精力的なお仕事ぶりの様子が書かれたブログなども、楽しく拝見しました。 すごいバイタリティーです(驚)Hakusuisya2

全亭協」なる組織の存在も知るところとなり。 社長直々に入会のお誘いをいただきましたが。まだ手続きはいたしておりません。 う~ん、どうしよう(笑)

企業さまのイメージアップに一役買えれば、作り手としても嬉しいことです。

箱詰めされたロゴ入りおせんべい→


Logo_3 手焼きせんべい相模原風林堂のホームページはこちら おせんべいにオリジナルメッセージやイラストを印刷「ぷりんたぶるせんべい」の詳細はこちら 

2008年8月13日 (水)

夏情緒

Summer  全国的に夏休みの真っ盛りの時期ですね。皆様どんなお休みを過ごされていますか? 例年どおり、甲子園の高校野球、故郷や地元代表の頑張りに一喜一憂したり、まして今年は北京オリンピックでの日本選手の活躍に声援を送る楽しみもあり、特別お出かけなどをしないでもTVの前で盛り上がれる夏ですよね。

 神奈川県地方は、30℃を大きく超えた猛暑の日が1ヶ月以上続いていますが、 例年より早めの梅雨明け以降、気温の高さとはうらはらに、思ったほどスカッと晴れた日が少なく、白っぽい空の蒸し暑い陽気が続いています。夕方になると雷雨になることが多く、亜熱帯のスコールを思わせる集中豪雨が頻発です。

 そういえばこの夏はまだ立派な入道雲を見ていません。相模原は森・林が散在し、虫の声はよく聴かれますので、夏の訪れはミンミン蝉の鳴き声で実感できますが、その林の上に広がる空の青と、雲の白さの対比がいっそう夏情緒を引き立たせてくれるはずですなので、早く深い青の空を見上げてみたいものです。 

 8月の初めから旧盆の頃までは、華やかな花火大会や、盆踊りなどのイベントも多く、ふるさとへの郷愁も相まって和の情緒を刺激してくれる時期です。下駄・浴衣・団扇の日本の夏正しき3点セットで決めて、一度しかない今年の夏を大いに楽しみましょう。

2008年8月10日 (日)

おせんべい屋、暑い夏の、熱い仕事場

こんばんは、手焼きせんべい風林堂店長酒井です。 

今年は梅雨明けが早かったこともあり、関東地方での真夏日が既に1ヶ月近く続くなど、今年も暑い夏となっています。 おせんべいを作る風林堂の工場は、その製造行程でずっと熱源を使い続けるので、この季節は少々身体に堪えます。1

大きいガスバーナー、音も迫力満点→

 おせんべいを焼くのはもちろん大変なのですが、こちらは比較的朝の早い時間に終えるようにしているので、多少救われていますが、その後の行程で、たれをつけて濡れたおせんべいを高温の熱風で乾かす作業が結構大変です。

4  乾燥機の庫内温度はご覧のように90℃に迫る高さなので、その近くは軽く40℃を超えています(汗)

この作業抜きでは、おせんべいが仕上がりませんので、致し方ないのですが、毎年夏場の約3ヶ月間は、それなりの忍耐が必要です。

2

コンベアの裏に大きい送風扇がり、熱風を吹き付けます→

 炎天下での屋外作業、高温多湿の作業場、スポーツのトレーニング、屋外でのスーツ姿等々ニッポンの夏は、皆に等しく厳しいのでで、しっかり対策を立ててバテないよう乗り切って参りましょう。

2008年8月 2日 (土)

告発のとき

Kokuhatsu唯一の超大国が抱える闇を静かに告発する・・。戦場で壊れてゆく若者達の見えざる事実。

イラクから帰還した息子マイクが失踪したことを知らされた、トミー・リー・ジョーンズ扮する元軍人警官の父親ハンクが、息子の所在を確かめに基地の ある町に向かう。無断離隊という不名誉な行いに釈然としない厳格な父は、軍警察の捜査に納得せず、シングルマザー女刑事エミリー(シャーリーズ・セロン) とともに独自に事実の調査を始める。そして、次第に明らかになる真実。

 2003年に起きた事実を元にポール・ハギスが監督、脚本を手がけた作品とのこと。 あまり多くの予備知識を持たずに望みましたので、行方不明の息子を 捜す謎解きミステリー的なテーマの作品と思っていましたが、それだけではありませんでした。 いい意味で裏切られました。

 マイクの死の真 相へ迫る過程で、彼が残した携帯電話の映像や声、戦友から知らされた「ドク」という愛称の由来などから、戦場イラクで何を見、体験し、心をどのように変化 させていったかが明らかになるにつれ、その闇の深さを父ハンクの目線を通して知ることになります。 軍人一家に生まれ育ち、正義感に溢れたよき青年が、戦 場の狂気により心を破壊されていく事実はあまりにショッキングで、言葉もありません。 退役軍人らしく投宿中も規律正しい日常生活スタイルを貫いていたハ ンクが、事件の事実に迫るにつれ、心なくも自堕落な態度に変わっていくのにも、抑制の効いた態度の裏に隠された心の変化が読み取れます。

 そして、更に暗鬱になるのは、マイクを惨殺した犯人のセリフ、「自分たちがマイクを殺したが、時と場所が違えば、自分が殺されていたかも・・」。 そして、父に謝罪をするその目に精気はなく、うっすらと笑みさえ浮かべる表情はまるで抜け殻のようです。 

  刑事エミリーの存在は、軍社会の外側からの目線、つまり普通の米国人の感覚で事件を捉え、別の意味でのアメリカ社会が抱える暗部を対比させているようで秀 逸だと思います。 その幼い息子にハンクが語る「ダビデとゴリアテ」の逸話が、本作の原題“エラの谷” の意味するところでもあります。

  このところ、米国の映画シーンはイラク戦争への反省ブームともいえ、この種の作品が多く作られています。 自由と正義と名の下、世界中に軍を送り続ける覇 権国家アメリカ。その国が、逆さ国旗を掲げなければならない事態に陥っているとしたら、それはいったい誰に向けてのメッセージでなのでしょうか? そし て、その混迷の出口は何処にあるのでしょうか?


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手焼きせんべい処相模原風林堂のおせんべい日記

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