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2015年6月10日 (水)

食品衛生

今朝の朝刊に、気になる記事を見つけました。岐阜県高山市で7日に開かれたウルトラマラソン大会で提供されたおにぎりから、腐敗臭が確認されたというものです。

Photo_3梅雨時から特に多くなる、食中毒。毎年今の時期には、マスメディアや行政から警告が出されますね。しかしながら、今朝報道された腐敗臭は、重篤な被害をもたらす食中毒とは別のものです。最近は、ご家庭においても、冷蔵庫は、ほぼ100%普及しているでしょうし、家庭の衛生状態が良くなってますので、痛んだ食材を目にすることは、随分減っていると思いますが、私が子供の頃には、普通に見られた光景です。この記事の事例も、製造後の管理が良くなかったため起きたと推察されます。褒められたことではありませんが、そう目くじらを立てることでは無いのではないかと思いました。

食物の腐敗を引き起こすのは「腐敗菌」で、原理は、発酵と同じです。微生物の働きによって、食品が変化しますが、それをある時は発酵と呼び、別のときには腐敗と呼ぶ訳です。食物が腐敗すると、色や形、臭いなどが変化し、食品として摂取出来なくなりますが、それを食べたとしても、一般に下痢、嘔吐など特定の症状が引き起こされる訳ではありません。

一方、食中毒を引き起こす菌やウィルスは、増殖しても食品の味や香りを変えないことが多いので、やっかいです。代表的なものとして、サルモネラ菌、ぶどう球菌、ボツリヌス菌、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌(O157)、ノロウィルスなどがありますね。これらは、体内に入ると、重篤な健康被害が発生し、場合によっては命に関わることもあります。これから梅雨時を経て、見聞きすることも多くなるでしょう。(ノロは、秋から冬に流行します) こちらは要注意です。

関連して、今月は、焼肉店などでの、豚の生レバー提供が禁止されることになり、一部愛好の方々には、がっかりされているかもしれませんが、既に禁止されている牛のレバ刺しや、鶏刺しと同様、生肉は腸管出血性大腸菌が付着していることが多いと言われ、食の安全を担う当局としては、看過できないのだと思います。

提供する側としても、客のニーズがあるからという動機から、安易に提供したとしても、その都度「自己責任で」と念書を交わす訳にもいかないでしょうから、もし被害が出た場合の責任は重大です。正に命取りになりかねません。「滅多に起きないから・・・」「多くの例を見聞きして、安心そうだから」というのは、自分だけは大丈夫という「多数派同調バイアス」や「正常性バイアス」です。間違った考え方だということを意識すべきでしょう。

蛮勇を奮いグルメを気取って、大事に至っては何もなりません。お気を付けください。

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