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2016年2月

2016年2月26日 (金)

新電力

長い間議論を経て、遂に今年4月より、電力が自由化されることになりました。日本の社会インフラが未熟だったころには、既存の大手が市場を独占する代わり、安定供給が約束されていたメリットが大きかったようですが、エネルギーの需給見通しや、寡占の弊害が指摘され久しいなど、いろいろな理由から、電力供給事業にも市場原理を導入することが、理にかなっているという判断だと思いますので、個人的にも歓迎したいです。

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このことに関して特に記憶に残っているのが、311震災後福島原発が停止し、首都圏への電力供給が危ぶまれたとう理由で、長きに渡り計画停電が実施されたことです。その後の報道等を注視してみると、今回新参入した新電力と同じ企業が、当時から大きな自家発電設備を有し、かなりの余力があったというお話し。東電は、いろいろな理由を付けて、これらの企業から電力を買い入れることをせず、末端の顧客に不便を強いたという構図であったと、個人的には思っております。また、あの惨事を目の当たりにし、国民や企業の多くが自発的に節電に取組み、需要も抑制されていたことも分かっています。専門家視点からは反論もあるとは思いますが、あのときの混乱を思うと、毎月しっかり対価を払って、高い公共意識で対応した消費者として釈然としなかったというのは、多くの皆様に共通の認識であったと思われます。

また、その後、コストの安い原発の代わりに、発電に占める化石燃料の割合が大きくなったという理由から、電気料金が数度にわたり値上げされました。他に選択肢が無い以上、黙って受け入れるしか無い状況を苦々しく思っていたのも思い出されます。

こういったことを顧みてみれば、自由化による市場原理の導入は、消費者にとってはメリットが大きいと思います。これからの推移を見ながら、対応を探って行きたいと考えております。ただ、重要なライフラインのひとつである電力が、過度な競争の弊害で、供給が途切れることはあっては困りますので、勘案する材料にしたいと思います。

2016年2月 7日 (日)

2015年の映画その3

前回の続き。2015年私のオススメ映画ご紹介の最終回です。

●人生スイッチ / アルゼンチンの作品。短編をまとめたオムニバス形式ですが、全部が大人のブラックユーモアです。納められた話しは、現実にはあり得ない(最近流行りの使い方でなく、本来の意味の)展開ばかりで、半ばあきれながらも、しかしどこか納得してしまうセンスがありました。ゲラゲラ笑うとうより、苦笑に次ぐ苦笑・・という感じでしょうか。日本で、南米の作品を見る機会はほとんどありませんから、見つけてきた配給会社には拍手です。

●キングスマン/ 「英国王」で、オスカーに輝いたコリン・ファース主演の、スパイアクションです。ファースという俳優を知っている方なら、この設定がいかに珍しいかお分りと思いますが、これがなかなかにハマっていたので、びっくりです。純粋なエンタメ作品なので、シンプルなストーリーと、よく練られたアクションをお腹いっぱい堪能しました。タランティーノや、ティム・バートンのテイストもちらほら。続編・・見たいですが・・。

●ヴィンセントが教えてくれたこと/ ビル・マーレイという役者をご存じでしょうか?旧くは、80年代に大ヒットした「ゴーストバスターズ」の主役を務めたコメディ俳優です。もう、おじいさんと言ってよい年になった彼の久々の主演作です。とぼけたキャラ演じさせたら全米一(多分)の才能を遺憾なく発揮し、この人、これをやるために役者になったのじゃなかろうか・・と思わせるハマりっぷりです。アメリカのエンタメ作品らしく、解りやすいね・・と軽く見ていたら、終盤の見せ場では、図らずもグッとさせられました。

●ハッピーエンドの選び方/ イスラエルの作品。舞台は老人ホーム。登場人物、ほぼ全て老人。テーマは尊厳死。このような、ともすれば重苦しくなりがちなシチュエーションとテーマを、ユーモア溢れる作りで楽しく見せてくれる良作でした。老いた後、回復の見込みが無い病に冒され、自ら死を望んだとき、家族はどのようにその願いを叶えてあげることができるか。主人公は、それに応える発明をすrのです。長寿は素晴しいことですが、いずれ誰かの助け無しに生を全うできなくなったとき、自分ならどうするだろうと、考えざるを得ない現実を見せてくれました。


さて、いかがでしたでしょうか? 毎年、年頭には年間50本を目指していますが、なかなか達成はできません。劇場に行かなくても、動画配信やメデイアをレンタルするなど、映画を見る機会は他にもありますが、やはり劇場まで出向き、大きなスクリーンで気合いを入れて望むというスタイルが好きです。暗いシアターの椅子に身を沈め、ひととき日常を忘れ、泣いたり笑ったり、考えたり。帰り道で反芻する時間も含めて、私には楽しい時間です。今年も、良い作品に出逢えることを楽しみにしています。

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