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2020年3月 9日 (月)

新しい食品表示制度

包装された加工食品をお求めになりますと、製造者の名前、原材料、賞味期限などが表示されているをご覧になれるかと思います。これについては、監督官庁によって定められたルールに沿った表記が求められています。もともと食品表示のルールを定めていた法律は、「食品衛生法」(主にアレルギーに関わるもの)、「JAS法」(農産物由来材料原産地にかかわるもの)、「健康増進法」(栄養成分にかかわるもの)の3つありました。これらの法律は目的が異なり、表示のルールも別々に定めていたため、複雑で分かりづらいものでした。(監督官庁も異なるため、製造者にとっても面倒でした)よって、消費者・事業者の双方にとって分かりやすい表示ルールを実現しようと、3つの法律を統合した「食品表示法」の制度がスタートすることになったそうです。

Photo以前に入手したガイドリーフレット 

この法律は、2015年4月より施行され、5年間の経過措置を置き、措置が満了する今年4月1日より完全実施することが求められています。対応にかかる時間への配慮、印刷物などの廃棄を最小にするための措置なのでしょう。ただ、小規模企業に於いては、負担を抑えるため、一部が免除されていますので、すべての製造事業者が対象という訳ではありません。

実は、風林堂も対象の小規模事業者に該当し、店頭販売でいおいては、免除されている項目もありますが、販売してもらっている先が大手である場合にはその限りではありません。よって、昨年中頃より準備を進めてきました。おせんべいの表示で最も大きく変わったのは、原材料と栄養成分の表示です。袋の商品など、単一品をパッケージしたものについては問題ないのですが、いろいろな種類のおせんべいを詰め合わせた、ギフト箱商品の表示は大きく変わりました。

まず原材料について、これまでは、パッケージ内に使われている原材料を、すべてまとめて一括表示すればよかったのですが、これからは、小袋毎すべて個別表記しなくてはならなくなりました。

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左が今までの法令に沿った表示。右の大きいのが、新基準に沿った表示。この箱詰め商品「手焼き選古都」は、9袋異なるものをパッケージしていますので、原材料を、9種個別に表示します。そして、新たに求められる栄養成分を表にして商品毎表示。そして、内容量も、小袋毎目方で表記します。記載する内容が膨大になり、ラベルサイズも大きくなりました。正直、分りづらい部分も多々あると思いますが、基準に沿った表記をすると、こうなってしまいます。

なぜこのような措置となったのか、法案成立までの経緯は承知していませんが、おそらく所謂世界スタンダードに沿った内容に変えていこうという考えがあるのだと推察しています。日本は、食の健康に関わる規制が、他の先進諸国に比べて甘いと指摘され続けてきました。行政も、消費者より、事業者側の都合に沿ったものだったとの指摘もよく見聞きします。食品製造の現場が、中小企業が多く、保護すべき対象とみられていたことも背景にあるのかもしれません。しかしながら、ひとの健康に直結する食について、安心、安全が求められるのは当然ですので、この流れは自然ななりゆきとも見えます。

菓子の製造業者として残念だと思うのは、日本伝統の「包む文化」が、このラベルの表記によって台無しになってしまうなぁ~ということです。表示については、消費者に伝わりやすい方法であるように、とされていますので、自社店頭での販売では、箱の背面に貼ったラベルをお見せする、またはお客様に口頭で説明するなどどちらかの対応で済み、包装の外に添付することはありませんが、包装済みにして納品する販売店宛にはそれができませんので、包装の外に貼るしかありません。丁寧に包装したギフト箱の見栄えが、かなり下がってしまうことになりますので、付加価値という点でかなりマイナスになります。しかし、このような話しを管轄する役所の窓口で伝えても、何の返答もありませんでした。まあ、仕方ないことですが。

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