なんちゃって映画感想文 Feed

2025年6月10日 (火)

Facebookのノート(note)を探して

このブログにもときどき下手な映画感想文を書き記したりしていますが、以前は、感想文専用の別ブログを書き、同じ内容をFacebookのノートという機能を使って、フレンドの皆さんに読んでもらっていたことがありました。ブログは、不特定多数の目に触れるチャンスがありますが、よっぽど力を入れないと読者を獲得することが難しく、且つ、誰が目にしてくれたかを知ることは難しいです。SNSであるFacebookは、同じ趣味の仲間も大勢いますし、リーチの分析や獲得した「いいね」の数で、反応が伝わりやすいので、やりがいにも繋がるのですね。10数年前には、感想文書きにも熱があり、資料を調べたり、自分なりの視点を盛り込もうとしたり、下手ながら時間を割いていろいろチャレンジしたものでした。しかし、だんだんと仕事に忙殺される時間が長くなり、映画を見ても長い文章を書くことがなくなり、ブログの更新は遠ざかり、同時にFacebookのノートに書き込むことも無くなりました。(現在フェイスブックで運用されているノートとは別物です)今回、訳あって、昔の感想文を読み直そうとしたところ、ブログは既に運用を止めていて、サポート期間は先月末で終了というタッチの差でチャンスを逃しました。それならFacebookのノートを探そう・・としましたが、こちらも既にメニューから無くなっていました。何年か前には割と簡単に過去ログを呼び出すことができたので、無くなることはないのだと高をくくっていましたが、今回アプローチしたら、簡単には見つからなくなっていることに気付きました。大変です。さあ、どうしよう・・「こういうときはネット検索だよ」ということで情報収集すると、最近の記事で、自分の投稿についてはログをデータとして呼び出すことが出来ることが解りました。ただ、SNSは頻繁に仕様が変わるので、ちょっと古い情報だと「今」にあ当てはまらないことが多く、今回もちょっと難儀しました。何とか辿り着くことができましたので、私と同じ悩みをお持ちの方への指標になればと、手順について記しておきたいと思います。ご参考にしていただけると幸いです。

1)右上プロフ写真をクリック 設定とプライバシー→設定 と進む

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2)必要な設定を見つける窓に「プロフィール情報をダウンロード」と入力

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3)個人データをダウンロード画面で、情報をダウンロードまたは転送を選択。

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4)次の画面で、フェイスブックを選択。どの程度の情報が必要ですか?と問われるので、「特定タイプの情報」を選ぶ。

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5)すべて見る→その他のアクティビティにチェック→次へ

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6)次画面で、「デバイスにダウンロード」を選ぶ。期間を聞かれるので、必要な設定をする。

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7)ファイル作成が始まるので、終了の知らせを待つ。

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8)ブラウザのダウンロード履歴より、zip形式のファイルをダウンロードして展開。一覧からノートを選ぶと、HTMLファイルをブラウザ等で閲覧できます。作成時のレイアウトは崩れていますが、テキストの内容は残っていました。やれやれ。

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9)こんな感じで、ずらっと閲覧できます。私の最後の更新は。2014年7月なので、10年以上経っていました。無くなって当然ですね~(汗)

Her


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2025年5月23日 (金)

小劇場で2作 「Flow」「HERE」

昨日は小劇場で2本鑑賞しました。どちらも、今まで見たことの無い、チャレンジングな作りの作品で、見応えありました。

Flow2_3
一本目はアニメーション作品「Flow」。ファンタジックなロードムービー。作ったのは、ラトビアの気鋭監督。といっても、世界地図ですぐ指し示すことができるひとは少数でしょう。私も同じ。同じ国で作られた映画作品も見たことありません。ポスター中央の黒猫が主人公で、他に登場するのは数種の動物のみ。日本のアニメやディズニーアニメのようにひとの言葉を話したりしないので、全編セリフ無しです。設定説明もゼロ。だから、ずっと想像力を求められます。終始脳ミソフル回転なのであります。しかし、時間と共にと動物たちそれぞれのキャラクターが見えてくるのに気付きます。素晴しい描写力です。アニメをあまり見ないので、エラソーには語れないのですが、CGのビジュアルとしては、風景描写及び色づかい、光の使い方が大変美しい。そして、主役の猫の動きがスーパーリアルで、おそらく日常的に猫の生態に接していらっしゃる方なら、私よりもっと驚かれると思います。アメリカ製CGのように、毛並みまで再現している訳ではないですが、それは何のネガティブでもありません。物語は、大洪水のあと人間がいなくなった世界で、生き残るため旅立つ主人公猫と、道連れとなる数種の動物たちが遭遇する出来事を描くもの。意思を通わせられない違う種の動物たちが、運命を共にする旅路でどのように振る舞うのかが見どころです。ふと、ノアの方舟か、バベルの塔の物語がよぎりました。各国のアニメ映画賞を多く受賞しているのも納得。大人(だけ)が鑑賞を許されるアニメ作品としてオススメします。

「Flow」 原題Straume 2024年 ラトビア・フランス・ベルギー合作

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二本目はゼメキス監督とトム・ハンクスが組んだ。こちらもチャレンジングなファンタジック作品「HERE」。アメリカのある家のリビングルームに固定したカメラで、その場所(HERE)で起きた事柄を、恐竜が走り回る太古の昔、氷河期、植物の時代から哺乳類の時代。ネイティブアメリカンが支配した人間の時代、その後、移民に取って代られ、南北戦争直後に家が建ち、そこに住んだ様々な人との人生を、画面をコラージュするように、時間を行き来しながら多層的に描いてゆく不思議な作りでした。(説明が難しい)ある意味SFなのですが、それを感じさせない、幾世代にも渡る命のドラマであり、人生の様々な要素が織込まれた壮大なストーリーとでも表現しましょうか。メインキャストは、トム・ハンクスとロビン・ライトの夫婦なのですが、二人ともティーンエイジャーから老年代までを実際に演じていると言うから驚きです。テクノロジーのなせる技ですが、生半可な技術ではないのは容易に解ります。エンドシークエンスを見終えた後、どっと沸き起こる不思議な感情と共に、「あぁ、これもバック・トゥ・ザフューチャーか」という思いに至りました。そんな感想について、映画好きの人たちと意見を交えたいなぁと思わせてくれる作品です。

「HERE」2024年 アメリカ

あつぎのえいがかんkikiにて


2025年4月27日 (日)

映画レビュー、曲解「ブルータリスト」

まだ寒かった頃に劇場鑑賞した作品「ブルータリスト」。あちこちで評判高かったので見たのですが、正直私にはその良さとか、本質などがあまり理解できませんでした。名優を揃え、すべてに品質の高い作品だとは解るのですが、諸々残念な結果になったのが悔やまれています。己の鑑賞眼の未熟さを呪うと共に、まだまだ修業が足りんと反省したものです。いずれ、配信等でもう一度見直したいな~と思っているところ。

Photo

では何故今頃取り上げる気分になったかというと、最近、伝わってくるアメリカ政府の財政削減政策の話題に絡まるからです。新政権になって、各種公共機関への予算が削減され、携わっていた職員が突然解雇されている様がニュース等で見聞きされます。また、政府の経費削減策による研究経費や補助の打ち切りに伴う人員削減で、長らく世界の学術をリードしてきたアメリカの研究環境が激変し始めているという話しも。それと映画がどう繋がるかというと、「ブルータリスト」とは、「ブルータリズム」という、装飾を排したシンプルでモダンな建築様式のことだそうで、それを先駆け実践した高名な建築家の半生を描いた作品なのです。エイドリアン・ブロディ演じる主人公は、第二次大戦中のホロコーストを生き延び、アメリカに移住したハンガリー系ユダヤ人建築家なのですが、当時のアメリカは、こうした才能ある人材を多く受け入れることで、大戦後の大繁栄に繋げ、冷戦にも打ち勝ち(諸説あります)、現在の地位が築かれる背景になったというのが大方の分析です。だとすると、今の政権が進める政策は、頭脳流出を促すことに繋がるのではないでしょうか。予算を削られて、満足な研究を続けられなくなったり、職を失う研究者が多くなれば、その人達は新天地を求めて、海外に脱出する可能性が高いのではないか。そういった人材の受け皿が日本であれば、我が国の未来も明るいような気がしますが、老齢化し、社会補償費の負担に苦しみ、縮み行く現状ではそれも難しそうです。第二次大戦後とは逆に、欧州などが受け入れれられれば別の未来が描けそうですが、最も懸念されるのは、かつて、バブル崩壊後に割を食った日本の技術者が、韓国や中国に渡って職を求め、結果、頭脳や技術が流出し、あの頃技術立国としてナンバーワンと呼ばれた日本が、あっという間にキャッチアップされ、その地位が相対的に下がってしまった現実のようなことが起きる可能性です。国民の福祉は二の次三の次、国の政策最優先で資金に糸目を付けない共産主義独裁国家が受け皿になるかもしれない。そうなった結果、今は躓いている世界第二位経済大国が、再び成長軌道に戻り、長期的に見る世界のパワーバランスや秩序はかなり変わると思われますが、米国の政権からは、そんな懸念は感じられません。これは正に悪しきポピュリズムではないのかとかと思ってしまいます。普段、映画を見て、政治と絡んだ感想を抱くことは多くないですが、今回は映画そのもの理解に苦しんだ結果、別の視点での感想を抱いたという次第であります。


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2025年3月 6日 (木)

チェコの映画「言葉を失う」動画配信で鑑賞

アマゾンプライムビデオで「あなたへのオススメ」されたので、鑑賞しました。これは、なかなかの作品です。かなりツボりました。詳細を知りたくて、いろいろ調べましたが、どうやら日本では劇場公開されていないようです。邦題「言葉を失う」。チェコの作品。セリフを聞いただけでは、どこの国の言語か判断できませんでした。

不慮の事故で頭部に損傷を負い、身体と言語機能にダメージを負った獣医師と、その身近にいる女性3人を巡るストーリー。謎解きベースの展開と、人物関係の葛藤や感情のもつれなどが、美しくシンプルでスタイリッシュ、時系列を行き来する短いカットの多用で描かれ、ビジュアルとストーリー展開、両方に魅了されます。状況説明を最小限にして、観客の想像力を喚起するシナリオも秀逸。シンプルながら予想外の展開にも唸らされました。そして、鮮やかなカタルシスと、極上の余韻。お見事でした。

タイトルをWeb翻訳で調べたら、直訳は「秘密はない」という結果。邦題の意訳には若干の違和感。ただし、私のPCではチェコ語を扱えなく、普通のアルファベット入力ですから、正確かは不明。

只今無料配信中ですので、ご興味あれば。映画ファン唸らせること間違い無しと推しであります。

「言葉を失う」nema tajemstvi 2023年 チェコ
 

Photo日本語表記の無いポスター

1 ポスターよりずっと魅力的な主役。


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2025年2月 5日 (水)

休日の映画 小劇場にて

連休の後半は映画館に。最近よく行く隣町の単館系シアター。小さいながら、スクリーンが3つあり、毎日沢山の作品がかかるので続け見もでき、気に入ってます。作品公開時期が、東京などより少し遅れたスケジュールなので、メディアでの紹介やレビューを見た後に興味持っても、ゆっくり鑑賞できるのでありがたいのです。頑張って生き残ってね。

この日続け見した2本目、ブータンの作品が面白かったので簡単なレビューを。少し前に同じパオ・チョニン・ドルジ監督が撮った処女作を見て気に入っていましたので、タイミング良く次作を見ることができて良かったです。
 
長くチベットの影響下にあったブータン。20世紀の初め、現王朝の下で王国となり現体制となりましたが、大きく変化したのが1972年に16歳の若さで即位した第4代国王の下での政策。GNH(Gross National Happiness・国民総幸福量)という、今や世界中で有名となった哲学を提唱し、独自の道を進んでいます。そんなブータンで、国王が行政権を手放し、民主制に移行する選挙を行い、国民のリーダーを選ぶことになった。さあどうする?というのが物語の下敷きです。
 
選挙の告知をするラジオ放送を、仏教の高僧が聞き、弟子に、鉄砲を2丁調達するようにという命令を出します。平和な国のお坊様が何故鉄砲を・・と言う疑問が解けないまま、いろいろなエピソートが起ります。敬愛される国王の下、GNHに沿って穏やかに幸せに暮らしてきた多くの国民。近年解禁されたテレビ放送とインターネットによって、価値観を多様化させている人びと。仏陀の教えに忠実に生きる仏門の人びと。西洋型マネー至上な人びと。そんなひとたちによって、鉄砲と選挙をめぐり、可笑しくも暖かく、そしてとても示唆に富むストーリーが展開されます。
 
「選挙とは、みんなが幸せになれるよう、リーダーを選ぶこと・・」という説明に。「私たちは国王陛下の下、いままでも幸せだった。なぜそんなことをするのか?」 う~む、胸に手を当ててしまいますね。そして、思い切り腑に落ちるストーリーの組み立てと、答えを用意してくれるラストは見事だと思いました。
 
前作「山の教室」は、ひたすら純真無垢を中心に据えてシンプルに描かれましたが、今回は変りゆくところと、そうでないところが絡み合い、ひねりの入ったストーリー。そしてやはり、日本人にはとても郷愁を誘われる、美しい自然風景と農耕地。ブータンの魅力120%味わえて大満足。エンドロールの終了に拍手差し上げたら、客席あちこちから追随する人も。みんな優しい気持ちになれたのだな~と確信しました。オススメです。
 
お坊さまと鉄砲 The Monk and the Gun 2023年ブータン・フランス・アメリカ・台湾合作

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2024年3月13日 (水)

小劇場でヨーロッパ映画

昨日、SNS繋がり映画仲間の集まりがあり、久しぶりに都心に出かけました。会合(飲み会)は夕方なので、毎回その前に、一部メンバー3人で、昼食と映画鑑賞するのをルーティーンにしています。今回も同様に小劇場に行きました。「コット、はじまりの夏」2022年アイルランドの作品です。原題は「THE QUIET GIRL 」(静かな少女)。1981年のアイルランド農村を舞台に、9才の少女が体験するひと夏を描いた、とても静かな作品です。超絶良かったです。このところ、配信を含めて、なかなか良作に当たらないな~と思っていましたが、昨日は久しぶりに「じ~~ん」とさせてもらいました。登場する人物たちの会話が極端に少なく、カットが短く、説明的なシークエンスもほとんどないので、物語の背景や主人公の心情にすんなり入り込むのが若干難しいのですが(状況設定は至ってシンプルなのですが)主人公のコットが、慣れない家に馴染んでいくのに平行するように、見ている私たちに共感が湧き出てきて、いつしかコットのこころに寄り添う、あるいは、重ね合わせているのに気付きます。そして、見終えたときには、その演出の意図がぐっと心に迫ってくるのです。2010年生まれという主演の女の子の可憐さ、少ないセリフのなかで、微妙なこころの動き醸す演技も自然で、驚かされます。こういうタイプの作品に、高評価の映画賞を与える欧州の映画環境はとてもエライ!と思うのでありました。

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都内某所で集まる、映画好きの面々はこちら。元々「大人のシネマファン倶楽部」というグループが母体ので、おじさんばかりですが、年齢、職業、住む場所はばらけています。

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2023年7月 4日 (火)

映画のハシゴ「波紋」「「The Witch/魔女 ―増殖―」

先日の休みに、久しぶりに映画のハシゴをしました。今回は珍しく、邦画と韓国映画です。
一本目は荻上直子という女性監督が撮った「波紋」。

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邦画をあまり見ない私は、この監督のことを存じ上げていなく、今回初めて。資料によると、2004年デビューで、過去にもヒット作を多くお持ちのベテランのようですね。なかなかに面白かったです。ポスターに書かれたコピーの「絶望を笑え」が上手いな~と感心。中身は、ある中流家庭に起きる事件を時系列に沿って描く悲喜劇でした。観客にいろいろ思案を巡らせさせるタイプかな。
夫の父親の介護を押しつけられる妻依子。突然失踪する夫。進学就職で家を出る息子。ひとりになった妻が、100%負のシチュエーションで、緑命会という新興宗教にのめり込みます。
普通の家族に起きる事件としてはありふれてはいないけど、マスメディアが喜ぶような奇異さでもないという、不思議なバランス上に立てた設定が秀逸です。描く視線も、登場人物に寄り添いすぎず、突き放しもしないという、これまた絶妙の距離感。好きだなぁ。
依子が信仰する宗教は、神秘な水の力を拠り所にする団体で、依子の周囲には、いつも水の気配があります。散水用のホース。スイミングプール。睡蓮鉢。そして降雨。タイトルの「波紋」にリンクするような、依子が作り上げた水の無い枯山水の庭には、箒目の水模様。物語のなかで時折描かれる、水上に立つ家族が作り出す波紋がぶつかり合うイメージ。ストーリー全体の統一感と、メッセージがちらちら見え隠れする映画的表現にも好感が持てました。
不思議な可笑しさを漂わせながら進むストーリーながら、登場人物たちが笑うシーンはほぼ皆無。終盤、100%場違いな爆笑をする依子とカタルシス。長回しカメラのエンディングが良かったですね。 決して楽しくは無いですが、見て損の無い作品として推しです。
 

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二本目は、ヒットした韓国産SFテイストのバイオレンスアクションスリラーの続編「The Witch/魔女 ―増殖―」。たまたま前作を配信で見たばかりだったので、記憶も鮮明なまま見られたのはラッキーでした。「増殖」と邦題が付けられていますが、オリジナルは「The Other One」ですので、言わば「別のヤツ」というニュアンスで、ストーリーもそのとおりでした。
前作のシチュエーションを引き継ぎながら、新たなストーリー展開と主役の登場。前作導入部のような、牧歌的でコミカルな描写は少なく、全体にサスペンス&バイオレンスを前面に出している硬派な作りで、緊張感が途切れません。100%エンタメ作品ながら超個性的で、血みどろ暴力満載、人が死ぬシーンが続々という作品を楽しめるかどうかで、好き嫌いがはっきり分れるでしょう。
深読みや裏読みといった楽しみはありませんが、不穏な世界に没入して、日頃のストレスを解放するといった見方もよろしいかと。主な舞台となる牧場に身を寄せた主役少女。その家族と少女に関わってくるのが、牧場の土地を狙う地元の経済マフィア、主役と同じ能力者を持つ集団と、やはり特殊能力を持つ暗殺者集団。これらが混ざり合って壮絶な展開となり、いったいどーなっておるのだ・・と一瞬状況を見失い掛かるのですが、エンディングでは、続編への布石を用意しながらきっちり回収してくれますので、安心してください。
エンドシークエンスから想像する続編の展開及びストーリーの完結は、おそらくシリーズ最強のバトルが展開されることになるのだろうな~と予想するのですが、さてどうなりますか。
 
 

2023年4月25日 (火)

小劇場で映画鑑賞

先日の休み、となり街の小劇場で、上映終了間近の映画を滑り込みで見ました。「逆転のトライアングル」。「超」を付けてもよろしいかと思うくらいの、ブラックな大人のコメディ。映画ファンの皆さんには、あの「フレンチアルプス」の監督作品と言えば、ご想像いただけるかも知れないですね。なかなか面白かったです。


タイトルの「トライアングル」は、市場主義経済における「ヒエラルキー」のことなのでしょう。社会の階層は「ピラミッド」に比喩されることもありますが、タイトルとしてはこっちのほうがスッキリしてますね。それが逆転するというのがテーマなんですね。他にも、ジェンダーロール、ルッキズム、人種間階層と貧富、マネー至上主義等々、ポリコレ的には、存在を声高に言ってはいけないこととなっている、現代社会の諸問題に鋭くツッコミます。大好物のテーマですw
私の住む神奈川の端っこの小劇場でさえ終了間近。都会ではとっくに終ってますので、これから劇場鑑賞される方は少ないと思いますが、ここからはややネタバレ含んで書きますので、これから見ようかな~と思う方は御注意。

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全体が三部構成になっていて、物語全体の主役を張るのは美形の若い男女、ファッションモデルのカール(キングスマンのプリクウェルとザリガニに出てたのね)と、とってもセクシーな同じくモデルのヤヤ。第一部の冒頭、カールを含むイケメン男が多数登場するオーディションシーンからシニカルさ爆発で、「お!結構攻めてくるね~」とニヤニヤさせられます。モデル業界では、女性が男性の3倍稼ぐそうで、最初の逆転現象に起因する諸問題が二人の間で、深刻且つバカバカしく語られます。ここらあたりははっきり申し上げて、当事者以外には聴くに堪えません。笑えます。(冷笑ですがw)


第二部は、舞台を超豪華なクルーズ船に移します。ここからが物語の本番開始。カールとヤヤも何故かこの豪華船に乗り込んでいるのですが、何でよ?と思うと、なるほど、ヤヤがインスタか何かSNSのインフルエンサーらしく、船主から招待されたと言う訳でした。イマドキの、演出され作為的に作り上げられた評判価値の裏を見せてくれるという設定でした。これもタイアップの一種?笑えます。 そして、船内で二人が出会う金持ちたちが半端なくスゴイです。どういう風にスゴイか、是非ご覧になって確かめてください。ほとんどが所謂「成金」です。彼らにかしずく、クルーズ船の接客クルーたちもまたスゴイです。フツーの日本人は、一生お目にかかることは無いでしょうが、世の中にはこういう世界があるのですね~。笑えます。やがて、大好きなウディ・ハレルソン演じる飲んだくれ船長と、ロシア人富豪のバカ妻のせいで、クルーズ船はトンデモな事態に陥ります。本当のトンデモです。ゲ●やウ●コがこれでもかと(閲覧注意レベル)盛大に溢れ出ます。苦手な方は御注意を。でも、笑えます。そして船は沈みます。


第三部は、無人島に舞台を移します。沈んだ船から脱出し、流れ着いたカールとヤヤ。他数名の金持ち乗客とクルー。ここからタイトル通りの逆転劇の幕開けです。水及び食料僅か、文明の利器一切無しの状況で、まるで役立たずの文明人セレブと、やたら逞しくサバイバルに長けたアジア女性クルーが、船上と正反対のポジションになってどーなるかというのが最終的なキモでした。注目したのは、所謂クルーズ船ワーカーの中でに於いても、最低位と見なされていたアジア人女の「私に従わねばメシやらんからね~」と、やたらエラソーな女王様的振る舞いに対して、へいこらするしかない億万長者たち。そんな屈辱的状況に於いても、妙にいい人として描かれていることです。ちょっと考えさせられ面白いです。そして、物語を通して、見た目の良さ以外、何の取柄も無いダメなやつとして描かれたカールが、意外なポジションを得るという、これまた皮肉な展開。笑えます。
エンディングは意外な展開に。しかし、結末を語ること無く、スパッと切ったように描かれ、掴み所の無いシークエンスで終ります。見た人が集まって、あの後どーなったかな。あのラストはどういう意味かな。映画評論家など専門家の解説を読む前に語ると楽しそうです。北欧州の作家作品ながらそれらしくなく、名画とは言いがたいですが、妙に満足度が高い不思議な作品。次作も絶対見る!と固く誓う私でした。


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2023年3月22日 (水)

傑作映画発見「マジカル・ガール」

思いっ切り「ツボ」にはまった映画を見ました「マジカル・ガール」2014年スペインのサスペンス作品。写真のコスプレ少女は、作品中に描かれる仮想の日本のアニメ作品「魔法少女ユキコ」の衣装をフルに纏ったシーン。タイトルまんまのこのスチルや、日本のアニメっぽいタイトルを見ただけでは、絶対手を出さないタイプでしたが、ひょんなことから目にしたレビューを見て興味を持ち、動画配信で鑑賞しました。短編小説になりそうな、シンプルなストーリーを、見応えある映像作品に仕上げた作り手の手腕は見事。接点の無いように見える主な登場人物4人程が、「見えない運命の糸」に導かれ、思いも寄らない関わりに陥っていく・・。独創に富んだストーリー&先読みを許さない展開。スタイリッシュな映像。度肝を抜かれる音響。すべてに唸らされます。そして・・・・その先はナイショw 見終えた後も残る謎について考えるのも、一粒で二度のオイシサか、オマケ付きのお得感でしょうか。興味を持たれた方は是非。その展開は飛躍しすぎじゃね?という部分も何カ所か見受けられますが、スローテンポの2時間映画には必要だったのかとも。旧作ではありますが、今年見た中では、ベストの部類に入れたいであります。

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2022年11月25日 (金)

映画「ザリガニの鳴くところ」

昨日の休み、久しぶりに劇場鑑賞しました。「ザリガニの鳴くところ」。意味不明のタイトルに誘われ、原作がよく売れたミステリーらしいということ以外は何も知らずに見たのですが、なかなか面白かったです。アメリカ南東部ノースカロライナの湿地帯にひとり暮らす若い女性が主人公。ある事情で、子どもの頃に一家離散。10歳頃から誰の助けも無く、世捨て人の如く生き抜いてきた彼女の身近に起きた事件をテーマに、その驚きの半生と、事件の真相に迫る謎解きが重層に描かれます。1960年代初頭の米国、繁栄を謳歌する時代に於いて、独特の歴史、文化と価値観が見える田舎町の人たち。さらに、それらからも隔絶され、水辺の一軒家に住み、他人との接触を拒んできた若い女性をメインに据えたストーリー展開は、静かながらテンポ良く、最後まで惹きつけられました。主演女優は初めて見たのですが、その生い立ちからくる、いつも怯えたような表情仕草が檄ハマリで、良いキャスティングと思いました。手つかずの湿地帯を写す映像がとても美しいので、映画ファンの皆様には、是非劇場でご鑑賞をとプッシュ致します。

Photo木漏れ日を効果的に生かした美しいワンシーン


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