2021年を振り返って
大晦日。2021年も残すところ1日となりました。恒例となっている、1年の振り返りを記しておこうと思います。
発生から2年余りを経過しても、完全には収束仕切れていない新型コロナウイルスパンデミック。諸外国に比べると、感染者数や、重傷者数に於いて落ち着いていますので、一時の経済的停滞から、少しづつ回復しつつありますが、やはりまだ、発生医以前の状況と比べると見劣り感は否めません。昨秋、総選挙後に新しい政権に代り、年末の臨時国会で審議された補正予算案では、企業向けの追加支援策が盛り込まれましたので、来年に向け実施されることを期待したいと思います。
風林堂のビジネスでは、今年は、ひたすら我慢の年だったというのが総括です。春先に始まったワクチン接種で、不安感の払拭、心理的な抑圧感の逓減によって、人とモノの動きが活性化されれば、落ち込んだ需要の回復に繋がるはずだという、言わば消極的な期待感での待ちの経営でした。積極的な打開策を、強く打ち出している企業も多い中で、なぜという疑問も持たれるでしょう。風林堂のような、小規模な組織で、地域密着、手作り商品を供給するスタイルのビジネスでは、現在の売上げ低迷を販路拡大によって改善する方向に舵を切ると、もし、コロナ禍以前の需要回復となった場合、すぐ対応に困ってしまうことになるという懸念が前提となっているからです。コロナ禍以前、需要の少ない時期は問題ありませんでしたが、季節によって定期的にやってくる繁忙期。そんな時期に少し大きな引き合いがあると、すぐに対応不能という事態が度々起きていました。特に、年末年始、年度替わり時期などでは、まとまった利益が期待できるビジネスオファーを、断らざるを得ないこともありましたので、慎重にならざるを得ないというのが背景にありました。幸い、昨年の春ごろに記録した落ち込みに比べると、今年はかなりの売上げ回復となっていますので、何とか乗り切ってきたというところです。これから、ワクチンの3回目のブースター接種が始まるという見通しのようですので、多くの国民が今以上の安心感を持って日々過ごせるような状況となることを願い、更なる需要回復の期待を持っているところです。
今年の初め父が他界しました。風林堂の創業者がいなくなったということです。晩年の父は、健康不安も多く、認知症も発症していましたので、ここ数年は、会社の舵取りについて相談したり、アドバイスをもらったりということもありませんでしたが、今のコロナ禍のような、未経験の困難に直面したとき、やはり唯一の相談者としてそこにいてくれるという安心感はありました。それが無くなったという気持ちの喪失感は、やはり大きいものがありました。逆に、嬉しい出来事もありました。晩秋の頃、息子が結婚し新しい家族が増えました。息子は、会社の後継者の路を選ばず、別の職業を選択しています。風林との関わりはありませんから、全くのプライベートな出来事ではありますが、おそらく、この年末年始は、いままでと違った過ごし方となるのではないかと思っています。
困難の中、模索し耐え忍び、悲しみと喜び両方が訪れた2021年。新しい年が明るさと喜びに満ちたものになるよう期待し、残る今日一日を頑張って過ごそうと思います。
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