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2026年6月

2026年6月 3日 (水)

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風林堂は6月末日を最後に、ほぼすべての事業を終了します。昭和40年代初めに父が創業し、私が2代目として引き継ぎ約60年。せんべいの製造販売一筋に歩んできましたが、その歴史もまもなく終わります。相模原の直営店舗終了の際には、惜しんでくださる声を多く頂戴し、短いながらも地域の皆様に愛されていたことを実感しました。そして今回は、20数年運用してきたホームページとECも終えます。父の代には卸売り専業でしたが、私が引きついでからは、直営販売店と「ぷりんたぶるせんべい」のネット通販主体に舵を切り集客のメインとしてきました。自社商品のブランディングに注力すること。伝統的な対面販売と、広く集客できるネット販売をハイブリッドとすることで、新しい時代に対応できると考えたからです。

思い起こすと、インターネットの出現は、私のような小規模事業経営者にとっては青天の霹靂、正に人生を変える出来事でした。それまでのビジネスでの販拡には、多くの資本を投下する宣伝活動と、販路展開には足で稼ぐ営業活動が主だった手段でした。どちらも多くのコストがかかります。加えて、顧客に訴求できる製品開発と製造能力の充実も同時に求められ、事業拡大が必須のモデルでした。インターネットの出現によって、それまでのセオリーを覆し、小売り事業が近隣商圏から飛び出して全国に販路を求めることができる。自社商品の強みや魅力を、広く安価にアピールすることができる。メリットしか見えませんでした。ただ、ECが普及し始めた90年代後半、どんどん参入する事業者の皆さんが提供する商品群のなかで、自分がつくる商品が消費者の目に留まり、売れてゆくという景色は想像できず、参入に二の足を踏んでいました。早くから、ネット販売の可能性に気づきながら足踏みしている時期に、知人のなかには、ショッピングサイトへの出店で利益を出し始めていた方もいて、やや焦りを感じていたこともありました。

そんな時期に出会ったのがフードプリンター。弊社「ぷりんたぶるせんべい」を実現した先進的な技術です。平らな手焼きせんべいを作れるという風林堂独自の技術は、表面に作画することに最適で、他社と差別化できます。初期投資は、小規模事業者にとってかなりの額でしたが、必ず回収できるとの自信もありましたので、迷いはありませんでした。新規事業への投資を支援する制度もありましたので、活用しつつの事業展開でした。

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その頃は、小規模事業者が自社ウェブサイトを運用するには、前述のオンラインショッピングモール出店が常識のなか、初期投資とランニングコストを最小限にするため、且つオリジナリティを大事にするため、レンタルサーバーを利用した独自ドメインの手作りサイトから始めました。連日夜なべしながらHTMLを書き、CGIと呼ばれる小さなプログラムを埋め込み、フォームメールや買い物かごを設置した手作り感満載のホームページ作りに没頭。お客様が望まれるデザインをせんべいに描くというサービス展開が始まりました。そして、完成した受注コンテンツをアップロードした翌々日には最初のオーダーを頂戴し、自分の進んでいる方向が間違っていなかったことを確信しました。

ネット上の集客は、見込顧客が行う検索結果に対して、いかに上位表示させるかというSEOにつきます。勿論ここにも有料広告という経済法則が存在するので、資力を使う同業他社より上に行くのはなかなか困難でしたが、せめてその直下に自社サイトを表示させようという努力はかかしませんでした。幸い、中小企業のIT利用についてよきアドバイスを下さるコンサルタントに恵まれ、長くお付き合いさせていただく中でその教えを信じながら地道に対応してきたことも、成功への道すじだったと振り返っています。

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やがてインターネットは、ブロードバンド化、PCで情報を取得する道具から買い物をする場所になり、スマートフォンの普及、SNSの隆盛、高度化した決済機能やAIレコメンドなどによって、日常生活のインフラになりました。私が初めて取り組んだ頃からは隔世の感です。高齢者の仲間入りした今、さらに高度化複雑化する環境に順応対応できるかどうか不安を感じ始めていたのも確かなので、退場する潮時だったのかもしれません。

このブログを始めたのも、もともと自社ホームページSEOの一環だったのですが、次第に個人的なテーマを書くことが多くなり、自分史のような体になってきています。内容はともかく量はそこそこありますので、このまま消してしまうのももったいない気持ちですが、ビジネスに特化した有料ブログなので、維持するにはコストがかかります。インターネット事業者が、無料で運用できるブログサービスを終了することが多くなっている今、移行もなかなか難しくなっていて、自分遺産として残すべきかどうか思案中です。ただ、これまでは弊社サイト訪問者が読んでくださったことが多いであろうブログを、引き続き購読してくださる方がいらっしゃるかどうかは疑問も残るので、それも加味しての判断になりそうです。事業終了と並行して進めている断捨離。デジタル遺産を含めるべきか否か悩ましいところです。

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手焼きせんべい処相模原風林堂のおせんべい日記

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