2022年を振り返って
大晦日、今年を振り返ってみたいと思います、。
新型コロナ感染症の流行が3年目に入り、一昨年秋には感染者数が極少数となったことで、年末年始の繁忙期に「緊急事態」「まん延防止措置」等の行動制限は発せられませんでしたが、まだ、感染懸念がありましたので、旅行や帰省の自粛が求められ、業績回復には至りませんでした。その後、変異株「オミクロン」の大流行で、感染がより一層身近になり、みなさまの周囲でも、検査陽性者が多く見られるようになったことは、記憶に新しいところです。しかしながら、新規感染者の増加とは裏腹に、重症化する患者数は僅かに留まっていることから、4-5回目のワクチン接種は、政府の期待ほどは進まず、人びとの意識もかなり変わってきているように思います。基礎疾患のない私たち家族も、3回目接種のあとは予定せず、追加接種しないまま現在に至っています。mRNAワクチンには、当初からネガティブな意見も根強くあったので、重症化の懸念が低いとわれる現在に於いては、消極的になっているという理由もあります。
そして春には、ロシアによるウクライナ侵攻という国際的な問題が発生。世界的な規模で、資源流通やエネルギー供給に滞りが発生するという事態に陥りました。中国のゼロコロナ政策下で、世界の工場と言われるサプライチェーンの一部が機能不全に陥ったこと、急激に進んだ円安の影響もあり、あらゆる産業に関わるモノの価格が上昇しました。長くデフレ下にあった日本でも、食料品を中心に、数パーセントから二桁パーセントの値上がりが頻出し、現在も続いています。
世界各国はインフレに苦しみ、金融当局は一斉に引き締めに舵を切りました。その影響は来年に持ち越され、高金利下での景気減速は避けられず、年末に実質ゼロコロナ政策を打ち切った中国での感染爆発による経済への悪影響と合さって、世界的な景気後退が懸念されているようです。
風林堂でも、春先から仕入れ材料の値上げ要請が相次ぎました。包装資材を中心に年間に2度の改訂があったものもありますし、光熱費などエネルギー価格は勿論です。デフレから脱却出来ないのは、賃金が低く抑えられているからだという理由で、政府は今年も大幅な賃金アップを決めましたから、人的コストも上昇しています。健全経営のために、秋頃に商品価格を改定せざるを得ませんでした。
こうして迎えた行動制限のない年末年始の繁忙期。帰省や旅行の需要は、昨年の同時期よりかなり改善されているようですので、期待を持っているところですが、最需要期のあとに、インフレの影響がどう効いてくるか一抹の不安を持っているところです。年末には、多くの専門家も驚いたという、日銀が、緩和策終了の始まりを思わせる、長期金利の誘導目標の引き上げに舵を切りましたから、早くも、住宅ローン金利改定のニュースも流れ、年始の動向に注視することになりそうです。加えて、国際情勢への懸念から、防衛力増強に踏み出す政府の方針で、近い将来の増税も視野に入ってきましたので、これも懸念材料になりそうです。
私たち小規模企業では、経済の大きなトレンドが業績に及ぼす影響はそう大きくはありませんので、インフレが進んで、消費者の消費マインドが多少冷えたとしても、補う販路を開拓したり、新商品の開発で、訴求力を高めるなどの対策の方が有効なのは解っています。経済にとって明るいニュースの少ない中、座していると傷が出来てしまいますので、年明けには対処の必要が生じるかもしれません。コスト削減を徹底していくか、売上げを増やすことで安定経営を目指すのか、同時に実現すれば盤石ですが、なかなか簡単には実現できません。明日からの暫しの休息の間、いろいろ考えてみたいと思います。
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