小劇場で2作 「Flow」「HERE」
昨日は小劇場で2本鑑賞しました。どちらも、今まで見たことの無い、チャレンジングな作りの作品で、見応えありました。
一本目はアニメーション作品「Flow」。ファンタジックなロードムービー。作ったのは、ラトビアの気鋭監督。といっても、世界地図ですぐ指し示すことができるひとは少数でしょう。私も同じ。同じ国で作られた映画作品も見たことありません。ポスター中央の黒猫が主人公で、他に登場するのは数種の動物のみ。日本のアニメやディズニーアニメのようにひとの言葉を話したりしないので、全編セリフ無しです。設定説明もゼロ。だから、ずっと想像力を求められます。終始脳ミソフル回転なのであります。しかし、時間と共にと動物たちそれぞれのキャラクターが見えてくるのに気付きます。素晴しい描写力です。アニメをあまり見ないので、エラソーには語れないのですが、CGのビジュアルとしては、風景描写及び色づかい、光の使い方が大変美しい。そして、主役の猫の動きがスーパーリアルで、おそらく日常的に猫の生態に接していらっしゃる方なら、私よりもっと驚かれると思います。アメリカ製CGのように、毛並みまで再現している訳ではないですが、それは何のネガティブでもありません。物語は、大洪水のあと人間がいなくなった世界で、生き残るため旅立つ主人公猫と、道連れとなる数種の動物たちが遭遇する出来事を描くもの。意思を通わせられない違う種の動物たちが、運命を共にする旅路でどのように振る舞うのかが見どころです。ふと、ノアの方舟か、バベルの塔の物語がよぎりました。各国のアニメ映画賞を多く受賞しているのも納得。大人(だけ)が鑑賞を許されるアニメ作品としてオススメします。
「Flow」 原題Straume 2024年 ラトビア・フランス・ベルギー合作
二本目はゼメキス監督とトム・ハンクスが組んだ。こちらもチャレンジングなファンタジック作品「HERE」。アメリカのある家のリビングルームに固定したカメラで、その場所(HERE)で起きた事柄を、恐竜が走り回る太古の昔、氷河期、植物の時代から哺乳類の時代。ネイティブアメリカンが支配した人間の時代、その後、移民に取って代られ、南北戦争直後に家が建ち、そこに住んだ様々な人との人生を、画面をコラージュするように、時間を行き来しながら多層的に描いてゆく不思議な作りでした。(説明が難しい)ある意味SFなのですが、それを感じさせない、幾世代にも渡る命のドラマであり、人生の様々な要素が織込まれた壮大なストーリーとでも表現しましょうか。メインキャストは、トム・ハンクスとロビン・ライトの夫婦なのですが、二人ともティーンエイジャーから老年代までを実際に演じていると言うから驚きです。テクノロジーのなせる技ですが、生半可な技術ではないのは容易に解ります。エンドシークエンスを見終えた後、どっと沸き起こる不思議な感情と共に、「あぁ、これもバック・トゥ・ザフューチャーか」という思いに至りました。そんな感想について、映画好きの人たちと意見を交えたいなぁと思わせてくれる作品です。
「HERE」2024年 アメリカ
あつぎのえいがかんkikiにて
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