なんちゃって映画感想文 Feed

2007年11月 4日 (日)

映画「アフター・ウェディング」

 去る11月1日。 「あぁもうすぐ年末だなぁ」などとAw_2
ぼんやりカレンダーを 眺めていた定休日の朝、映画の日だったことに”はた”と気づき、急いで上映スケジュールを物色していたところ、気になっていた「アフター・ウェディング」という作品が立川のシネマシティで架かっていることを発見、行って参りました。 この劇場は、昨秋「ホテル・ルワンダ」を短期間上映していたときに初めて訪れた劇場です。(そのときはシネマツーという姉妹館でしたが)

 スサンネ・ビアという女性監督が撮った デンマークの作品だそうで、はてデンマークの作品って観たことあったかな? と考えてみたら、自分としては初めてのようです。 好きな監督ラース・フォン・トリアーがデンマーク人ですが、彼のデンマーク語作品は観たことないので・・。

 インドで孤児の援助活動をする主人公ヤコブ(ジェイコブ)が、活動資金の提供提供を受けるためコペンハーゲンに向かうところから物語が始まります。資金援助者で実業家のヨンセンの娘の結婚式に出席することを強いられ、その幸せな宴のシーンからサスペンスドラマのごとく展開して行きます。 ヨンセンの妻は、ヤコブのかつての恋人で、異父娘のアナは、実はヤコブの娘だったというから、メロドラマのようでもあります。 ヨンセンはヤコブが、妻のかつての恋人であることを承知で、援助を申し出ただけでなく、益々接近してきます。その真意は・・

 まずは、インドの貧困街と、孤児たちの映像から物語は始まり、コペンハーゲンの町並みの美しさとお金持ち家族の豪華で幸せな結婚式描写との対比が際だちます。 そして、自身の故郷でありながら、居心地悪そうに振る舞う主人公が、その感を強めます。 やがて、ヤコブが実の父であると知った娘アナは、ぎこちなくも実父に対し愛情を示し始め、ヤコブもそれに応えます。 そして、物語の後半の骨になる、育ての親ヨンセンへの悲劇が待っていることが明らかになります。このため、ヤコブは、それまでの生き方と、かわいがってきたインド人少年との絆を捨て、故郷に戻り実の家族と生きることを迫られ苦悩します。 父娘の二人が、二つの家族を持ち、その狭間で揺れ動く心の描写といったあたりが物語のキモだなと感じました。 そしてもう一つ、強くて自信に満ち、家族愛に溢れ颯爽としているヨンセンが、次第に弱さと垣間見せるようになり、最終盤に描かれる絶望を前にした男の描写には胸を打たれます。

 全体に青っぽい映像作りが、落ち着いた雰囲気を醸しだし、いい感じです。手持ちカメラのような映像と、眼差しと手のドアップの描写が多用される手法が特色だ思いましたが、こちらは自分としてはあまりスキではありません。昔の(今のを知らないので)日本の少女コミックの画風みたいです。 そして、ストーリーの部分では、一代で身を起こし大物になったヨンセンが、なぜ自分の後継者にヤコブを選ぶに至ったかという部分で、残念ながら説得力を感じませんでした。 

 作品の善し悪しはについて客観的に語れる力が自分にはないので、好き嫌いを基準に採点すると60点くらいといったところでしょうか? 欧米人の家族愛への共感が必須です。

 同じフロアーのスクリーンでは、日本人の家族愛がテーマの「象の背中」を上映していて、偶然なのか上映館の意図があるのか、おもしろい組み合わせだと思いました。

at 立川 CINEMA CITY

2007年10月28日 (日)

映画「サルバドールの朝」

 少し前のこと、東京銀座に音楽ライヴを聴きに行く予定を入れていたので、滅多にない都心詣でのついでに、単館上映作品を鑑賞してきました。 作品は表題の「サルバドールの朝」というスペイン映画です。上映館のシャンテシネは、映画の街日比谷にあっても小さな劇場で、主にヨーロッパ作品を中心に上映している所謂ミニシアターです。 毎週金曜日の夕刊に、新しくかかる作品の広告が掲載されると、いつも魅力的な作品がそこに見つけられます。

 Photo
作品は、フランコ独裁政権下の末期の実話を元に描かれた作品とのことで、MILと呼ばれる反体制グループの活動に身を投じた主人公が、逮捕拘束され、理不尽な死刑に処される課程を描いたものです。 
 物語は、主人公が銃撃戦の末逮捕されるシーンから始まり、投獄された後、担当弁護士との会話の中で、そこに至った過去を振り返りながら進んでいきます。無鉄砲な若者が時代の空気に乗って突っ走っているかのような反体制活動の様、その仲間たちとの日常。それと対比するような普通の人生を送ろうと望む恋人との関わりなど。 そして、人権派担当弁護士の努力の甲斐なく、主人公サルバドールに死刑判決が下され、それを回避しようとする周りの人々の描写、次第に迫り来る死の瞬間へとつづく主人公の心の動き、担当看守の変化、家族、特に父親・末妹との関係などが後半のストーリーにちりばめられながら、悲劇へと向かって進んでいきます。

 観た後の感想は、当時のスペイン(カタルーニャ)の社会背景をある程度予備知識として持っていないと、作品の本質を理解するのが苦しいかなという印象が強く残りました。 多分、スペインの近隣欧州国では、基礎知識として多くの方が持っているだろうこの肝心の部分を、自分の無知故持ち合わせていないことで、全編に流れる思想的なテーマと、主人公の若者が当時の社会に与えたインパクトの大きさを実感できなかったことがイマイチ残念です、悲劇的なテーマの作品であるにもかかわらず、ドラマチックな描写は控えめで、感動の涙を期待して望みましたが、若干違った後味でした。 これが、制作者側の意図なのか、私自身が、物語の中で主人公の生き方に強いシンパシーを感じ得なかったからなのか、今は解りません。 

 しかしながら、主人公が残虐な方法で極刑に処されるという結末は予備知識として知っていたので、物語の終盤、処刑が近づくととともにその刑具(というのでしょうか?)を作っている作業の音が流れながら、その瞬間に近づいている描写には、胸が締め付けられました。

 サルバドールの棺が埋葬されるエンディングでは、事実を知った市民が多く弔問に押し寄せたとのクレジットが流れ、象徴的なシーンとして、雨に濡れた石畳に散らばった多くの赤いバラが映し出され、情緒的な結末を演出していますが、社会現象にまでなったというこの結末を、肌感覚で受け止められる鑑賞者がうらやましいです。

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