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2022年9月28日 (水)

映画の感想「セイント・フランシス」

久しぶりに行った小劇場で、女性が主役の映画作品を見ました。「セイント・フランシス」。特に期待せず、予備知識も無く望んだのですが、これがなかなか良かったのでオススメしたいと思います。
主人公は、30代半ばで、世間基準のきちんとした仕事に就いていないブリジットという女性。夏の間(米国での新学期前)、未就学の女の子の子守りバイト期間に起きる諸々を、所謂等身大人生目線で描いた作品でした。タイトルの「フランシス」は、子守り対象黒人の女の子の名前。何故「セイント(聖)」と付いてるかは、作品の後半で解ります。

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主人公と、少女のひと夏の触れあい・・というと、何だか'80s映画の焼き直しかよ・・と思われそうですが、そうではありません。設定には一癖二癖。そもそも、子守り(映画ではナニーと称されている)に採用されるまでも一山二山。少女の親は、黒人&ヒスパニック二人の女性、そうレズビアンカップルです。二人には、生まれたての赤ん坊もいます。赤ん坊の母親の、高齢出産、産後鬱なども、切実感満載で描かれますので、(父親につていは不明)主なキャストたちの至る所に大小の問題だらけなのです。メインテーマとなっている、賢いけど腕白なフランシスとの子守りエピソードは、どこを取っても楽しく面白く、子役の達者な芸もあって、微笑みながら見入ってしまいます。(フランシスはメチャかわゆす~です)一方、同時平行して語られる、もう一つのテーマ、ブリジットの私生活は、映画でこんな表現あっただろうか・・というオンパレード。女性の生理、避妊、妊娠、中絶などが、リアルに描かれますが、それに沿うブリジットの心象と行動が、やけにライトなのに驚きです。中絶の原因となるパートナーも、恋人でなく「セックスフレンド」というのも、今風なのですね。とても新鮮です。

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ひと夏を過ごし、新たな学期を迎えたブリジット&フランシスの関係はどうなるのか。ちょっと負け組な傍線人生を歩むブリジットのその後は・・。変な教訓を垂れることなく、いろいろな余韻を残し、とても気分良くフィナーレを迎えます。主演している女優ケリー・オサリバンが脚本も手掛け、監督は、彼女のパートナーだとか。物語のはじまりの頃には、何だか垢抜けない、え”~このひとが主人公なの?・・・と、頭の中に浮かんだ「どうなのよ感」が次第に覆され、どんどんチャーミングに見えてくる演出も素晴しく、是非、今見るべき(特に女性には)一本と強く思うのでありました。 

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