原題は、"WALTZ WITH BASHIR" 「バシールとワルツを」 。バシールとはバシール・ジェマイエルという人物のことで、詳細につてはWikipediaにもまだ記載がありませんが、この映画の特徴的なシーンにその容貌が大きなポスターで観られます。既に故人ですが、そのことがこの映画の背景にあります。
アリ・フォルマン監督・脚本による、自身が従軍した1982年のレバノン内戦の記憶を探るという手法。シュールな色彩、大胆且つ特徴的なアニメーションで作られた、ドキュメンタリー作品でした。右の告知チラシからもご覧頂けると思います。アニメーションで、且つドキュメンタリーという、普通では相容れない手法が斬新です。
"サブラ・シャティーラの虐殺" "PTSD=心的外傷後ストレス障害"が、ストーリーの骨になります。この20年以上前のレバノン内戦について、詳しい方はあまり多くないと思いますが、私自身も勿論そうでした。 少し知識を仕込んでから鑑賞すべきだったと少し後悔しています。
中東や中央アジア、アフリカ各地で今も続く戦争状態、安穏とした私たちの日常と同時進行で殺戮が起きていることに、日々いかに無関心であるか、戦争をテーマにした作品を観るたびに思い知らされます。
新兵として前線に送られた若者が、恐怖のあまり際限なく機関銃を乱射しながら進軍する場面や、今まで軽口を聴いていた先輩兵が、たった一発の銃弾で、生物から、ただのモノになってしまう場面など、無表情なアニメーション帰還者の口から語られる戦場のリアリティーが痛々しく感じられます。
作品中で語られるエピソードにこんな部分があります。 「あるアマチュアカメラマンが戦場で撮影をしていた。戦闘状態にもかかわらず彼は嬉々としてそれを撮影し、興奮していた。あるときカメラが壊れ、ファインダー越しに戦場を観ることが出来なくなった彼は、突然恐怖に襲われたという・・」。 遠く傍観者でしかあり得ないながら、時として訳知り顔で語る私たちに、その不遜さを責められているとも受けとられる部分かも知れません。
そして衝撃的なラストの数分間、私は息を止めていたかもしれません。 それまで、で描かれていたアニメーションのデフォルメ映像が、いきなり大転換します。 傍観者であった私たちが、その刹那戦場に連れて行かれたかのような錯覚を覚えます。 これこそ、作者の意図だったのだろうと思います。虐殺を正当化する理由はどこにも存在しません。 今年、米国大統領ノーベル平和賞受賞演説で、戦争の必要性に言及したのが記憶に新しいですが、結果が何をもたらすか、こんな作品から感じ取ってもらいたい気がします。
滅多に求めることのない作品のプログラムを、今回は買い求めました。師走の夕暮れ時、華やかに彩られた世界一の繁華街、銀座4丁目~数寄屋橋間、通り沿いの風景。数分前目にした廃墟の映像とのギャップが、小さなトゲのように心に刺さりました。おはようございます。相模原は、乾いた晴天の朝を迎えました。冬型が続かない今年の冬ですが、ご家庭でも師走には片付けなければいけない所用が増えますから、晴れが多いと助かりますよね。
一週間ほど前、東京初台にあるオペラシティコンサートホールに、音楽を聴きに行って参りました。 当日のパンフレットは右の写真。若い女性のソリスト3人が、それぞれの楽器で、日本で最も愛されているであろう協奏曲を演奏しました。
オーケストラは「サンクトペテルブルグ祝祭管弦楽団」とか。 オーケストラのメンバーも比較的若い奏者が多く見受けられ、所謂気鋭のオーケストラといった位置づけなのでしょうか?
ソリストは、中村アヤサ(ヴァイオリン)yumi(フルート)今川裕代(ピアノ)の三方。3人とも若く、特に中村さんは現役女子高生というから驚きです。もちろん音楽科在籍ですが・・・天然水のTVCMに出演されていたとのこと。今川さんは最もキャリアが豊富で、音楽賞も受賞されている経歴の持ち主です。フルートのyumiさんは、NHKのクイズ番組で、レギュラー奏者を勤められていたとか。 皆さん若くして、大活躍の逸材というわけです。
演目は、メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルト、モーツァルトのフルートコンチェルト#1、そしてチャイコフスキーのピアノコンチェルト#1。言うまでもなく、どれも超有名且つ愛されている名曲です。
華麗且つ変化に富むメンデルスゾーン、チャーミングで快活なモーツァルト、ドラマチックで重厚なチャイコフスキーと、それぞれ時代も個性も違う組み合わせは、なかなか楽しい選曲でした。 特にピアノ#1は、個人的に最も愛する曲のひとつなので、久々に聴いた生演奏に、気持ちも高揚しました。
今回同行いただいたのは、風林堂のパッケージデザインなどを何度か依頼している、横浜在住のグラフィックデザイナー滑谷章(ぬかりやあきら)氏。開演より少し早めに待ち合わせ、氏の若き頃、東京芸大時代の話など聞かせていただくのは、私の知らない世界を垣間見る、こちらも楽しいひとときです。
年末を前にしたこの時期、僅かに気持ちの安らぐ良い休日を過ごせました。
パティオに置かれた大きなツリー、高さおよそ15m以上。夕暮れに映える素敵な演出です▲
いよいよ師走。 そろそろ1年を締めくくる時事の話題が、各方面を賑わす頃になりました。おせんべいやでは、年末年始の繁忙に備え、ギフトの仕込みなどで慌ただしさを増して参ります。
そんな年末、今年もヤマト運輸さんより通販の企画を頂戴し、昨年同様風林堂も出品させていただくことにしました。
今年は、昨年より若干微修正が加えられ、ギフト用ではなく、「グルメお取り寄せ」という位置づけになりました。 消費者の皆様のマインドや、運送会社さんの代金決済手段、出店者の発送サイトなど、いろいろ考えられた上での変更と思います。
風林堂にとっては、ギフト向けの扱いで販売いただいた方が、一人のお客様に複数お買い求め頂くなど、より多くの売り上げに繋がりますから、どちらかというと嬉しくない変更ではあります。
それでも、取り寄せて召し上がって頂いた近隣の皆様に、風林堂の米菓を認知していただき、評価を頂ければ、今後のご用命に繋がることもあることでしょうから、忙しさに負けず、美味しい商品をお届けできるようがんばって参りたいと思います。
上記カタログの配布地域は、、神奈川県内の相模原市より以西となります。
西は小田原市から、東は大和市・相模原市までのお店が、それぞれ美味しそうな商品をた く さん掲載されていま す。 対象地域にお住まいの皆様でカタログを手にされた方は、風林堂のおせんべいと併せて是非多くのご用命を賜りたいと願っております。
よろしくお願いします
おはようございます。11月間もなく終わり、今年も残すところ1ヵ月となりました・・・そんなコメントが耳にされる時期になってきましたね。 おしなべて季節感が薄れてきた言われて久しい日本ですが、年末年始だけは、未だにその存在感を残しているような印象です。
ここ相模原市は、来年度政令指定都市への移行が決定し、行政の制度が変わることとなりました。 これを機に今夏実施され、好評だったという商品券が、再び発売されました。
詳しい実施要項はこちらからご覧頂けます。または、こちら。
風林堂でも勿論ご利用いただけますので、年末ギフト等、お得にお使い下さい。
風林堂では年末1ヶ月間ほど、別のおプレミアム企画も提案させて頂いておりますので、こちらも併せてご利用いただくと更なるお得なお買い物が頂けます。
おせんべいに文字・イラスト・メッセージ・ロゴマーク・名入れ等何でもお望み通り印刷できる「ぷりんたぶるせんべい」。今年の夏場に受注いただいた、人気シンガーソングライターのロゴ入り商品をご紹介いたします。
数々のヒット曲を持ち、折り紙付きの実力派として人気を保っているソングライターでありヴォーカリスト、7月から8月にかけ行われたライヴツアーで販売いただきました。
とびきりの甘いルックスと優しい歌声、それに似つかわしくないフランクな言動とのギャップも人気の秘密のようです。
瞳を閉じる歌、熱烈キスの歌、洒落た人気者の歌、そして古時計の歌・・・等々、沢山のヒット曲が披露されたことと思いますが、このツアータイトルを冠したライブは既に10年以上続いているということです。
当初は、小さなライブハウスから始まったという、この大人向けスタイルのステージも、今では数千人から会場によっては、万単位のファンを集め、大盛況のようです。それに比例して、納品させていただいたおせんべいのもかなりの数に上り、夏場の暑い時期に、連日長時間作業をいたしました。
お求めいただいたファンの方から、おいしかったので買い求めたいといったご注文を頂いたり、別のプリントご注文を頂いたりと、嬉しい反応も多く、がんばった甲斐がありました。
↑オフィシャルサイトで、通販もされていたようです。
手焼きせんべい風林堂のホームページはこちら おせんべいにオリジナルメッセージやイラストを印刷、オーダーメード「ぷりんたぶるせんべい」の詳細はこちら
今日は立冬、暦の上では冬の始まりです。
そして、あられ・おせんべいの日でもあります。「新米で出来たあられ、せんべいをつまみながら家族のコミュニケーションをはかろう」と、1985年全国米菓工業組合が制定したそうです。
伝統的なコメ作りから発展してきた食文化、米菓のよく知られた代表的な効用はいくつかありますね。
1)米やもち米が主原料なので、消化吸収がよくお腹にやさしい。
2)噛むことを促進するので、頭と身体の健康増進に結びつく。
といったところが主なものでしょうか。
特に、柔らかい食物が好まれるようになって久しい現代日本の食生活において、堅い食べ物の代表選手のような、あられ・おせんべい・おかき類は、結構貴重ではないかとも思います。
その他、常温で保存できるから地球にやさしい。 添加物を使わなくても、おいしい製品が作れる。 等々、エコでロハスな特徴も備えている米菓、この機会に見直していただきたいと思います。
夏場は大変な焼き仕事も、この頃にはすっかり様変わりし、空気の冷えた早朝には、かえって焼き場の暖かさにほっとするこそさえあります。
右の写真は、当店の人気商品 薄焼きせんべい「あばれ」 の焼き風景です。このおせんべいは、生地の段階からこのような形ですので、風林堂の鉄板焼きの場合、他のおせんべいと違い上下から押さえつけて焼くことが出来ません。必然的に、やや低めの温度で、何回も手返しをしながら焼き上げることとなります。 この作業、結構大変で、特に気温の高い時期は、上半身はかなり熱源に接近することもあり、焼き手としてはウレシくない(笑)のです。
でも、その日焼き上がったおせんべいを素焼きのままかじって見たとき、ほんのり香ばしさがただよい、米の旨みを上手に引き出せたときには、その苦労も吹っ飛びます。
そんな「あばれ」焼きも、この時期からは随分楽になり、ありがたい季節の到来に、私もほっとしているところです。
寒い地方では、そろそろ暖房の準備が始まり、暖かい飲み物が嬉しい時期になりますから、おしょうゆ味のおせんべいをお供に、お茶の時間を楽しんでみてください。
風林堂のあばれの詳細はこちら
久しぶりの映画感想文です。
海上保安庁勤務から南極ドームふじ基地隊のコックとして派遣された主人公、西村淳のエッセイ「面白南極料理人」を映画化 堺雅人が演じています。真夏に公開された日本映画ですが、文化系オヤジ達の閉鎖空間におけるオモシロ哀しき長期合宿風景描写・・といった感じの作品です。
冒頭のネタで、いきなり「プッ!」と吹き出してしまい、そこから始まる20分ほどで、極寒南極の、更に寒い高地でおっさんばかりの面子が繰り広げる不思議世界がおよそ解る作りになっています。
範囲が極めて限定された舞台設定の中で、隊員個々の人間観察がストーリーの基本となりますが、過酷な環境の厳しさ、大自然のダイナミックさをあえて描かない、過剰な感動を描かない・・むしろ淡々としていて、ほのかなユーモアを交えた日常描写が、日本人のメンタリティーをリアルに表現していて、うまいなあと感じました。
若い隊員が、日本に残してきた恋人の気持ちを繋ぎ止めておこうと、夜な夜な高額の通信料がかかる遠距離電話で会話をするナイーブさには、草食系男子の悲哀が満ちていて、お約束の顛末もなかなか泣かせます。 西村が調理をボイコット「ふて寝」し、他の隊員が作るまずい料理に涙するシーン、物語のクライマックスともとれる手打ちラーメンのシーン、衛星通信でのフジ基地と日本とのやり取りの場面、どれも非常によくできていて、「平凡に思える毎日だけど、ちょっとした小さな出来事に幸せを感じたり、躓きにも意味があったり、その繰り返しで少しずつ歩むのが人生なんだよ・・」という作り手のメッセージが聞こえてきそそうです。
西村によって饗される日々の食事は、その限定された材料にもかかわらずどれも凄く旨そうで、料理の見せ方にこだわった映像の作り手の狙いが成功していると思います。 そして、閉鎖空間の運動不足が容易に想像される環境で、毎日こんなものを食べていたら、私などは確実にメタボ一直線になってしまうだろうなぁ・・などと妙な不安を抱いてしまいました。
任務を終え、帰国する隊員達とを迎える人々と、その後の西村一家を少しだけ描く気持ちのいいエンドシーンが、鑑賞後の爽快感に繋がる良作だと思います。商業映画デビューの沖田修一監督、次回作が楽しみです。