おせんべいのモト2
風林堂は。本日より23日まで夏休みになりました。 夏休みといっても、完全休養の日はあまりなく、前半は、普段できない工場内の機械のメンテナンスや、事務処理などで費やし、最終日には、仕事再開の「しこみ」作業がありますので、お休みは正味3日と言ったところでしょうか。
今年は旧盆のころ、35℃以上の猛烈な暑さの日が続いたので、火を使わないで済むだけ、ありがたいですが・・。
7/20日の投稿に続き、おせんべいの生地について書いてみようと思います。
おせんべい生地は、100%米が原材料なので、その性質は米に含まれるでんぷんの特性をうまく利用したものです。 でんぷんにはアミロースとアミロペクチンという2種類があります。 おせんべいになるうるち米にはアミロースが20% アミロペクチンが80%の割合で含まれます。 一方、お餅として生で食べたり、おかき・あられの生地になる糯米(もちごめ)はほとんどがアミロペクチンです。
生のでんぷんは、そのままでは食べられません(消化されません)が、加水・加熱することでその性質がかわり、膨張し粘りがでて、味・香りともによくなり、食べられるようになります。これを糊化(こか)またはα化(アルファか)といいます。 生の米をお釜で炊くことでご飯として食べられるようになるのもこの原理です。
一旦α化したでんぷんも、そのまま放置すると、もとのでんぷんの構造に戻ってしまい、固くなったり味が落ちたりします。 これをでんぷんの老化といいます。室温で放置したご飯、お団子や餅が固くなったり味落ちてくるのはこのためですね。
最近は、食品の保存に色々な技術が導入され、この老化を抑えることで、寿命を長くすることが可能となってきていますが、食物の廃棄を少なくし、大切に扱うという意味では、ありがたいことですね。
←生地の型抜き作業
おせんべいの生地は、米を製粉し、加水・加熱しながら練ることで、お団子状態になります。ここで、米のでんぷんのα化が起きるわけです。 この状態で薄く伸ばし、型抜きを行いほぼ形となります。 この後、温風乾燥することで固いガラス状の生地になります。 こうして、でんぷんの老化が起きる前に、冷却、乾燥を繰り返し、最終的には水分を15%以下程度まで落とします。これで、α化した状態を保つことができ、ある程度長期間の保存が可能となるわけです。
米を製粉、蒸練するかわりに、炊いたご飯をつぶして伸ばしても、生地を作ることはできます。
あと、2週間あまり残った夏休みの自由研究で、おせんべい作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?
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