2011年10月 5日 (水)

街角の秋

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

冷たい朝を迎えた相模原です。今日は冬の寒さとの予報も出ていますので、体調管理にも気をつけたいですね。

高い山ではそろそろ紅葉が盛りを迎えてくる頃ですが、街中が色づくのはひと月くらい先でしょうか?
昨年の秋に、近所で撮った秋の風景を何点かご覧下さい。コンパクトデジカメと、ミラーレス一眼で撮ったものが混在しています。

民家の紅葉

▲横浜保土ヶ谷区民家の庭先にあった見事な楓の紅葉。

市役所通り1
▲相模原市役所通りにある植え込み、桜の落葉が模様のようです。

市役所通り2

路地の秋
▲住宅街、路地の秋。

冷たい季節が来る前のひととき華やぐ木々は、心も温かかくなりますね。今年はどんな表情を見せてくれるのでしょうか?楽しみです。

2011年10月 3日 (月)

メッセージ・イラストプリントでオリジナル煎餅を「ぷりんたぶるせんべい」週末のご注文編

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

やや曇り空で開けた新しい一週間も、お昼を前に青空になってきた相模原です。
お煎餅に、メッセージ、ロゴやトレードマーク、名入れ等何でもお望みで印刷出来る「ぷりんたぶるせんべい」、週末にまとめてお作りした、オーダーメード煎餅の画像3種類です。

2011_10_2
昨年に引き続きご注文頂いた、相模原の弓道協会さま、地元開催の競技会の記念品としてオーダー下さいました。納品は少し先ですが、一部準備を始めました。地元の公立中学校は、イベントにいらっしゃるお客様へのおみやげ用に、下は、今月ご結婚されるカップルの、ご披露宴用プチギフトのご用命です。

今年春に起きた東日本大震災以来、お祝い用のご用命が減っていましたが、ここに来て少しずつ回復傾向で、嬉しく思っております。気候が涼しくなる季節、お茶請けやギフトの他、このような需要にもお応えできるサービスをご活用下さい。


Logo手焼きせんべい風林堂のホームページはこちら おせんべいにオリジナルメッセージやイラストを印刷、オーダーメード「ぷりんたぶるせんべい」の詳細はこちら

2011年10月 1日 (土)

映画感想文 「ミケランジェロの暗号」

Michelangelo 第二次大戦中、ホロコースト下のナチスをモチーフにした映画というと、高圧で残虐なナチスドイツに対して、謂われ無き理不尽な犠牲者であるところの ユダヤ人というのがテーマとして多くが作られているのは周知の通りだが、本作はそんな刷り込みを覆される作品だ。スリリングでウィットに富み、時に笑いさ えも誘う、上質の痛快エンタテインメントだった。

第二次大戦下のオーストリア・ウィーンで画商を営む裕福なユダヤ人カウフマン家。そこの跡 取り息ヴィクトルと、カウフマン家に長く使えた使用人スメカルの息子ルディ、幼なじみで親友だったこの二人が、戦争とナチスのユダヤ迫害を背景に、それぞ れの立場が変わってくることが話の幹になっている。

カウフマン家には国宝級の価値を持つであろう、ミケランジェロの素描画が所蔵されて いた。気心の知れたルディに、酔った勢いも手伝ってそのありかを教えてしまうヴィクトル。その直後、ルディはあろうことかナチの親衛隊に入隊してしまうの だ。そして自分の手柄にするため、噂を聞きつけたSSを通じて、ヒトラーに献上しようと画策し上官に通報してしまう。絵は没収され、哀れカウフマン家はち りぢりになって収容所送りに。しかし、同盟国イタリアの独裁者ムッソリーニ来独に際し、貢ぎ品にされるはずの名画は、実はヴィクトルの父ジェイコブが密か に贋作とすり替えていたのだ。面子をつぶされたSSは、怒り狂いルディに本物の奪取を命じ、絵のありかを聞き出すためヴィクトルは収容所から出される。そ してここから二転三転のドラマが展開し、俄然面白くなってくる。名画のありかを知っているのは収容所で死んだ父のみ。しかしヴィクトルは父の残した謎の遺 言を頼りに、絵のありかを探りつつ、起死回生を企てる。その後、絵を入手するためと称してチューリッヒに向かう二人が乗った輸送機はパルチザンによって撃 墜されてしまい、どうにか助かった二人だが、ここでヴィクトルは機転を働かせ、ルディから制服を騙し取り、自分がSS隊員に成りすまし入れ変わってしまう のだ。俺が本物の伍長だと騒ぐルディだが後の祭り、さあ絵と二人の行方は?。

幼なじみで家族のように付き合い、共に若き日をすごした青年二 人が、その立場の差を超えて親友であったと思っていたのは、実は幻想だったいう冷たい現実。少なくともルディの心には二人の間に厳然とあった、彼にしか見 えない溝があったのだろう。それがナチの台頭により立場が逆転する。SSの制服という「虎の衣」を纏ったことで、ずっと隠してきた、あるいはコンプレック スともいえる感情を解き放つチャンスを得るわけだ。ルディの野望ともいえるこの考えが、このおもしろ悲しい物語の発端だ。

冒頭、ヴィクトル の画廊にルディが久しぶりに戻り再会を喜ぶ二人、そこに悪ガキどもが現れガラスにユダヤを表す六芒星をいたずら書きする。怒った二人とガキどもは喧嘩にな り、二人は留置されてしまう。父ジェイコブの力で間もなく自由になる二人、カウフマン家の力を表すエピソードではあるが、ナチ化したウィーンの状況を説明 するシークエンスとしてはどうなの?とちょっとした違和感を感じていた。しかし後で思い返すと、ここが物語全体に共通する、人が下す他者への価値判断の硬 直を暗示する導入としているのではという気がしてきた。マークを付けることで、その人物をグループ分けしようとする。衣服が変わるだけで、どのような地位 や組織に属するか第三者には見分けが付かなくなる。本人が語る言葉より状況証拠が優先される。つまり、個人のアイデンティティへの評価や判断などは、その 人が身につけているものや、それまでに抱いていた先入観、他者の評価などによって左右されて形づくられ、ほとんどの人の目には公正な判断など付くはずも無 いものなのに、自分の意思や正しい基準として無意識に行ってしまう。うまいたとえが見つからないが「裸の王様」「馬子にも衣装」でどうだろう?人の目のい い加減さ、愚かさへの警告としても興味深い。

それを逆手に取った行動で窮地を逆転していくヴィクトルなのだが、ストーリーの鍵になる400年の歴史を経たミケランジェロの名画とて同じで、専門の鑑定家以外はだれもその真偽が解らないから、贋作を本物と信じて、こわもてSSの幹部がさかんに有り難がって見せるのも滑稽であり、作り手のナイスセンスと思う。

 二 転三転四転五転、はらはらさせられるシーンは途切れることなく、最後までスクリーンに釘付けされ退屈とは無縁。サスペンスとしても一流と思うし、時折入っ てくるコミカルな演出もナチものとしては異色。人物の描写も細かい部分でウィットに富む、エンディングの余韻も超上質、満足度高いエンタティンメント作品 として高得点を差し上げたい。以前見た、似たようなテイストの作品があったなぁと記憶を辿ってみたら、同じ第二次大戦中のドイツをテーマにした「ヒトラー の贋札」があった。なるほど、どちらもナチス=残虐非道というイメージとは一線を画すと言う点で近いと思っていたら、同じ製作スタッフとのこと。大いに納 得。唯一惜しまれるのが邦題、ご覧になってその「どうなの?」感を実感していただきたいが 作品のクオリティとしては現時点で下半期マイベスト3には入れ たい良作だ。

2011年9月28日 (水)

自動包装機

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

日本晴れと言ってもいいくらい爽やかで晴天の朝を迎えた相模原です。ここ数週間で、季節一気に進んだ感じですね。月初の暑さが嘘のようになってきました。火を使う仕事にも、あまり苦でなくなったのでありがたいですね。

包装機
写真は、お煎餅を個包装するために使う自動包装機です。今日のは、カレー煎餅を包んでいる風景です。正確には横型の正ピロー包装機、出来上がった袋詰めが枕の形になるのでそう呼ばれているようです。詳しい説明がありました。

製造の部分では自動化されているところの少ない風林堂の工場ですが、人手間のかかる包装については、少しだけ機械を導入してします。購入してから丸4年、一度も故障せず働いてくれているので、とても助かっています。

おせんべい屋の機械は、汎用品はほとんど無く、このように他のメーカーなどで共通に使えるもの以外は、ほぼオーダーメードのことが多く、新規に求めると、価格や納期でとても負担になります。 必然的にメンテナンスを頻繁に行いながら、長く使うとというのがスタンスになりますが、このように汎用機械でまかなえる省力化はありがたい部分ですね。

核家族化や食の多様化などで、個別包装を期待されることの多い食品業界ですが、こういった省力化で対応していければ、お客様のニーズも吸い上げると思います。

2011年9月26日 (月)

イラスト・メッセージ・肖像印刷でオリジナルせんべいを「ぷりんたぶるせんべい」歴史編

おせんべいにメッセージ・イラスト・ロゴ・トレードマーク何でも印刷できる「ぷりんたぶるせんべい」、今日は幕末に活躍した歴史上人物をテーマにご紹介します。

おりょう横須賀市の菓子店から依頼されてお作りしている「おりょう物語」せんべい。昨年一年間NHKの大河ドラマで主人公に取り上げられ、国民的人気の高さがあらためてクローズアップされた「坂本龍馬」。その妻が「おりょうさん」なのは既に有名なお話しですね。

おりょうさんの菩提寺が横須賀市内にあるということで、龍馬人気にあやかって、おりょうさんを題材に町おこしにつなげようという試みの一環として、商品化したのがこのお煎餅です。

それぞれの肖像写真が存在しますから、そこからイラストを起こし、更に2人をひとつのイメージにまとめたのが原画です。日本で最初に新婚旅行をした2人ということでも有名ですから、並んだ絵柄もそんな睦まじい雰囲気が出ているのではないでしょうか。

数枚を、袋と箱に詰めたパッケージで販売、昨年はドラマ人気もあって、凄い売れ行きでした。今年はさすがに大分静かになっていますが、地元のおみやげとして定着してきたとのお話しも伺っており、嬉しいことと思っております。


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2011年9月23日 (金)

お彼岸と暦

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

今日は秋のお彼岸中日、暑さ寒さも何とやらの故事の通り、すっかり秋めいてきた相模原です。ご先祖様の供養にいらっしゃる方も多いと思いますので、大きな霊園などの周辺には車の列ができることもあるようですね。

彼岸花
お彼岸、正確には彼岸会(ひがんえ)とは、仏教の浄土思想に由来する行事で、春分秋分には太陽が真西に沈むことから、西方にあると信じられた極楽浄土を礼拝し、思いをはせるということが始まりと言われています。

暦からひもとくと、「雑節」と呼ばれる特別な暦日で、他には節分、八十八夜、入梅、半夏生、土用などがあります。どれも耳におなじみの用語と思いますが、これは、もともと中国から伝わった暦には含まれない概念で、日本独自の季節感を表す言葉のようです。
中国から伝来したオリジナルのほうには、「二十四節気」がありますね。春分・夏至・秋分・冬至・立春・立夏・立秋・立冬・雨水・白露・寒露・霜降などがここに含まれます。月の満ち欠けを基準に作られた陰暦と、地球の公転を元に作られた陽暦、そのずれを補うため考案された暦日です。もともと中国発祥の言葉なので、日本の四季に合わない事もあり、更にそれを補うために考案されたのが前述の「雑節」なので、より日本の季節感に合うわけです。

旧暦の仕組みについては、その成り立ちを調べるととても興味深く、先人の知恵や季節感、あるいは行政や権力争いの様子まで垣間見ることができるので、ご興味のある方はお調べになると楽しいと思います。

2011年9月20日 (火)

大奥お女中よりご注文三たび

おはようございます。手焼きせんべい風林堂です。昨日まで続いた真夏日から解放されそうな今朝の相模原です。
今日は秋の彼岸入り、ご先祖様のご供養にいらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

大奥おせんべいに名入れ・メッセージ・イラスト・ロゴ・トレードマーク何でもプリント可能な「ぷりんたぶるせんべい」以前にも記事にさせていただきましたが、舞台女優さんからのご注文を頂戴しました。過去の記事はこちら。舞台のスタッフや出演者、ファンの皆さまへのプレゼントとしてお使いのようです。

テレビドラマでも人気だった時代劇大奥の舞台版の第2弾がこの秋上演されることになり、それに合わせてのオーダーです。FAXとお電話で頂戴したのは、名入れとご本人が前回のご注文よりご希望されている、トレードマークの蝶々を配した絵柄をというご相談です。

  ご注文下さったのは、同舞台でTVドラマから引き続き同じ役柄でのご出演、山口香緖里さん、ベテランの鷲尾真知子とともにコミカルな腰元を演じていらっしゃいます。

舞台の詳細はこちらにありました

女優さんに、ご自身の自筆でご注文頂くと言うことは、サインを頂いているのと同じかなぁ?などと思い、三度目となったご注文の内容を拝見しながら、版下を作っているところです。

前回主演された安達祐実さんがご来店されたこともあり、「大奥」とは縁のある風林堂です。


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2011年9月17日 (土)

おせんべいの醤油タレ

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

また、台風が近づいているようで、朝から晴れたり降ったりとめまぐるしく天気が変わる相模原です。前回の接近で被害を受け、未だ復旧していない地域では、新たな災害も懸念されますね。大事にならないことを願いたいものです。 たれ

さて、数日前に片栗粉(馬鈴薯澱粉)が不足しているということを書きましたが、北海道の業者より取り寄せることで事なきを得ました。しかし、次にクリアーせねばならない問題もあります。澱粉によって液体にとろみを付けるのは、調理にもよく使われますが、おせんべいのタレお同じ原理です。これは澱粉の糊化という現象を応用したものです、経験上澱粉の個体差によって、とろみの付き具合が微妙に変わることを知っていますから、これから新しく取り寄せた素材がどんな感じかつかんで行かなければなりません。また、馬鈴薯澱粉の糊化は、溶液に含まれる塩分によって影響を受けるので、調理などの際には考慮が必要です。幸いおせんべいのタレは、ほとんどが醤油なので、塩分濃度は一定ですから、このあたりは助かっています。

▲18リットルのズンドウ鍋で週一回くらいタレを作ります

天然の素材は長く使われている分、その長所短所が解明されていて、ユーザーのノウハウも蓄積されていますから、扱いについてもある程度の情報が入手しやすいのが利点です。一方、日々進歩する新素材もたくさんあり、これらを導入することで製品の付加価値が上がったり、製造上の扱いが楽になったりと別のメリットも生まれます。作り手がどちらを選ぶか、お客様がどちらに価値を見いだされるかを見極めながら使い方を考えて行かねばなりませんね。

2011年9月14日 (水)

映画感想文 「あぜ道のダンディ」

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。 9月も半ばを過ぎたのにまだ真夏日が続く相模原です。先が見えているとはいえ、ちょっとうんざり気味ですね。

久しく更新していなかった映画の感想文を載せてみます。2週間ほど前に見た、中年オヤジが主役のいい話です。


あぜ道のダンディ自分と同じ年頃のおっさんを、20代後半の映画監督がどのように描くのか、興味を持って望んだ。 前作では、その独特の世界で私達を魅了してくれた新鋭監督が新たに届けてくれたのは、年頃の子供を持つ中年「男やもめ」の奮闘と、家族のつながりをテーマにし た心暖まる作品だった。

北関東の小都市に住む、主人公「宮田淳一」は、若くして妻を亡くし、男手一つで子供を育てて来た。浪人中の長男 と、高三の長女は、共に間もなく大学受験を控えている。特技も学歴もない宮田は、トラック運転手として地味な会社勤めをしている。さしたる趣味もなく、ス トレスのはけ口は中学生からの友「真田」と汲み交わす日々の酒。 が、ある時から自分はガンで余命いくばくもないと思い悩みだす。自分に残された時間の中 で子供達との想い出を作りたいと願い、真田に病のことを告げ、後のことを託そうとするのだが・・・。

出だしの描写はとても痛い。母親のいない家庭 は、こうもぎくしゃくするのか?すべてに不器用な宮田が、本来なら最も安らげる筈の場所である家庭で、子供との距離感を計りかね、最低限の会話さえできな い。子供達は父と目線さえ交わさない。思春期の子供がいる家庭には共通の現象かもしれないが、間に入ってクッションの役割を担ってくれるはずの母親が不在であることがこんなにも重苦しい空気を生むのかと再確認。石井監督、平成日本の父親像を非常によく理解しているぞと期待が高まる。

宮田は、通勤の自分自身に鞭を入れ自転車を走らせる。妻が先立ち寂しいはずなのにそんな素振りは見せない。子供二人を私大に生かせる金などないのに、心配するなと強がる。唯一弱みを見せられる旧友真田の 「奥さん死んで大変だよな?な?」という問いに「五十男が大変なのは当たり前だ」とうそぶく。これが彼の貫こうとする父親像なのだ。男は弱音をはかない、 男は見栄を張る、男は陰ながら思いやる・・・のである。が、自分不治の病に冒されたと思いこんだ宮田が望んだのは、子供達と共有できる楽しい思いで作りだっ た。息子と同じ携帯ゲーム機を買い、娘とプリクラ写真を撮りに行きたい・・・。 突然子供に歩み寄ろうとした父親は、案の定思いっきり外してしま う。

こういう父の姿を目の当たりにすることで、もう一方の当事者子供達はと言うと、これが相変わらず素っ気ない。もう少しオヤジの気持ちを 解ってやれよと説教のひとつもくれてやりたくなった頃、いつしか、初めの冷淡な態度から抱く、食えない若者達という印象が次第に変化してくる。それは息子 「俊也」が真田に語る言葉で遂にはっきりするのだが「わかっています!なめないでもらっていいですか!?」 兄は妹の進路を案じ陰ながら面倒をみていた。 それどころか父の稼ぎを解っていて、自分たちの東京での暮らしのため生活費を貯めていた。不器用でかっこわるいが、懸命に生きる父親を本当は愛していて、 それを旨く伝えられない自分たちにももどかしさを持っていたのだ。

こうして、ほぐれだした親子の心のもつれは、少しだけぎくしゃくした感じ を残したまま、子供達は旅立ちの時を迎える。 父はダンディズムという鎧から、少しだけこぼれ出た弱さを見せ、子供達はその弱さから見えてきた父の本心を知ることで、立ち止まったまま詰められずにいたお互いの距離が近づ いたことを知る。このように全編に流れる、気づかないうちにずれてしまっていた親子の思い、どこの家庭にも起こりうるすれ違いの風景は、子を持つ親になら 強い共感を持って受け入れられることだろう。

石井作品に共通のエッセンスは、その鋭い観察眼によって描かれる、普通に生真面目な日本人が醸すそこはかとないおかしさだ。本人が一生懸命なのに、時として他者の目にはそれが滑稽に写ることをよく解っていて、それを笑いにつなげていく。大爆笑に包 まれるというより、場内にはいつも「クスリ」という笑いが漏れる。しか し、その笑いの質は、嘲笑ではなく共感から来る苦笑であり、暖かさを孕んでいるところに作り手の愛情を感じるのだ。

加えて今作は、家族との繋がりや男の生き方という、ややもすると随所に感涙をさそう作品になりがちのところ、独特の寸止め演出にまんまとはまって、ぐっと来る直前に何度も止められる。そうしておいて、最後の最後にほろりとさせられるから客はたまらない。
スクリーンでいつも主役を張る大物俳優ではないキャスティングも作品のテーマにベストマッチ、格好悪くても一生懸命に生きる男達への応援歌のようだ。地上の星々には、明るく輝く一等星もあれば、気をつけて見なければ存在さえ気づかない5等星もあるだろう。 でも、それだって自分なりの場所で一生懸命光ろうと努力しているんだ なぁ~なんて、あの男を泣かす名番組のナレーションを担当した「真田」の声を聞きながら、最後に思ったりしたのだ。

川崎市アートシアター アルテリオ映像館

2011年9月12日 (月)

焼きのり

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

今日は十五夜、中秋の名月を愛でる日ですね。お住まいの場所では、名月に何をお供えされますか?おまんじゅう?お団子? 丸くてもお煎餅を供える方はいらっしゃらないでしょうから、今日はおせんべい屋の出番がありません。

海苔
写真は、一昨日入荷した焼きのりです。愛知県の海苔問屋さんから、直接買い付けていますが、今回は有明海の海苔でした。
海苔はお煎餅につきものですので、結構な量を消費します。昔は赤っぽい生の海苔を使うことが多かったようですが、風林堂では、創業以来焼きのりを使っています。
最近は、コンビニのおにぎりなどもパッケージが工夫されていて、ぱりぱりしたのりを簡単に召し上がることができるようになっていますが、以前は手軽に食べられるぱりぱり海苔といったらお煎餅の独壇場でした。
その当時から変わらない、米、醤油、海苔の黄金トリオ、これからもずっとスーパースターでいて欲しいと願います。


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