2011年9月14日 (水)

映画感想文 「あぜ道のダンディ」

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。 9月も半ばを過ぎたのにまだ真夏日が続く相模原です。先が見えているとはいえ、ちょっとうんざり気味ですね。

久しく更新していなかった映画の感想文を載せてみます。2週間ほど前に見た、中年オヤジが主役のいい話です。


あぜ道のダンディ自分と同じ年頃のおっさんを、20代後半の映画監督がどのように描くのか、興味を持って望んだ。 前作では、その独特の世界で私達を魅了してくれた新鋭監督が新たに届けてくれたのは、年頃の子供を持つ中年「男やもめ」の奮闘と、家族のつながりをテーマにし た心暖まる作品だった。

北関東の小都市に住む、主人公「宮田淳一」は、若くして妻を亡くし、男手一つで子供を育てて来た。浪人中の長男 と、高三の長女は、共に間もなく大学受験を控えている。特技も学歴もない宮田は、トラック運転手として地味な会社勤めをしている。さしたる趣味もなく、ス トレスのはけ口は中学生からの友「真田」と汲み交わす日々の酒。 が、ある時から自分はガンで余命いくばくもないと思い悩みだす。自分に残された時間の中 で子供達との想い出を作りたいと願い、真田に病のことを告げ、後のことを託そうとするのだが・・・。

出だしの描写はとても痛い。母親のいない家庭 は、こうもぎくしゃくするのか?すべてに不器用な宮田が、本来なら最も安らげる筈の場所である家庭で、子供との距離感を計りかね、最低限の会話さえできな い。子供達は父と目線さえ交わさない。思春期の子供がいる家庭には共通の現象かもしれないが、間に入ってクッションの役割を担ってくれるはずの母親が不在であることがこんなにも重苦しい空気を生むのかと再確認。石井監督、平成日本の父親像を非常によく理解しているぞと期待が高まる。

宮田は、通勤の自分自身に鞭を入れ自転車を走らせる。妻が先立ち寂しいはずなのにそんな素振りは見せない。子供二人を私大に生かせる金などないのに、心配するなと強がる。唯一弱みを見せられる旧友真田の 「奥さん死んで大変だよな?な?」という問いに「五十男が大変なのは当たり前だ」とうそぶく。これが彼の貫こうとする父親像なのだ。男は弱音をはかない、 男は見栄を張る、男は陰ながら思いやる・・・のである。が、自分不治の病に冒されたと思いこんだ宮田が望んだのは、子供達と共有できる楽しい思いで作りだっ た。息子と同じ携帯ゲーム機を買い、娘とプリクラ写真を撮りに行きたい・・・。 突然子供に歩み寄ろうとした父親は、案の定思いっきり外してしま う。

こういう父の姿を目の当たりにすることで、もう一方の当事者子供達はと言うと、これが相変わらず素っ気ない。もう少しオヤジの気持ちを 解ってやれよと説教のひとつもくれてやりたくなった頃、いつしか、初めの冷淡な態度から抱く、食えない若者達という印象が次第に変化してくる。それは息子 「俊也」が真田に語る言葉で遂にはっきりするのだが「わかっています!なめないでもらっていいですか!?」 兄は妹の進路を案じ陰ながら面倒をみていた。 それどころか父の稼ぎを解っていて、自分たちの東京での暮らしのため生活費を貯めていた。不器用でかっこわるいが、懸命に生きる父親を本当は愛していて、 それを旨く伝えられない自分たちにももどかしさを持っていたのだ。

こうして、ほぐれだした親子の心のもつれは、少しだけぎくしゃくした感じ を残したまま、子供達は旅立ちの時を迎える。 父はダンディズムという鎧から、少しだけこぼれ出た弱さを見せ、子供達はその弱さから見えてきた父の本心を知ることで、立ち止まったまま詰められずにいたお互いの距離が近づ いたことを知る。このように全編に流れる、気づかないうちにずれてしまっていた親子の思い、どこの家庭にも起こりうるすれ違いの風景は、子を持つ親になら 強い共感を持って受け入れられることだろう。

石井作品に共通のエッセンスは、その鋭い観察眼によって描かれる、普通に生真面目な日本人が醸すそこはかとないおかしさだ。本人が一生懸命なのに、時として他者の目にはそれが滑稽に写ることをよく解っていて、それを笑いにつなげていく。大爆笑に包 まれるというより、場内にはいつも「クスリ」という笑いが漏れる。しか し、その笑いの質は、嘲笑ではなく共感から来る苦笑であり、暖かさを孕んでいるところに作り手の愛情を感じるのだ。

加えて今作は、家族との繋がりや男の生き方という、ややもすると随所に感涙をさそう作品になりがちのところ、独特の寸止め演出にまんまとはまって、ぐっと来る直前に何度も止められる。そうしておいて、最後の最後にほろりとさせられるから客はたまらない。
スクリーンでいつも主役を張る大物俳優ではないキャスティングも作品のテーマにベストマッチ、格好悪くても一生懸命に生きる男達への応援歌のようだ。地上の星々には、明るく輝く一等星もあれば、気をつけて見なければ存在さえ気づかない5等星もあるだろう。 でも、それだって自分なりの場所で一生懸命光ろうと努力しているんだ なぁ~なんて、あの男を泣かす名番組のナレーションを担当した「真田」の声を聞きながら、最後に思ったりしたのだ。

川崎市アートシアター アルテリオ映像館

2011年9月12日 (月)

焼きのり

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

今日は十五夜、中秋の名月を愛でる日ですね。お住まいの場所では、名月に何をお供えされますか?おまんじゅう?お団子? 丸くてもお煎餅を供える方はいらっしゃらないでしょうから、今日はおせんべい屋の出番がありません。

海苔
写真は、一昨日入荷した焼きのりです。愛知県の海苔問屋さんから、直接買い付けていますが、今回は有明海の海苔でした。
海苔はお煎餅につきものですので、結構な量を消費します。昔は赤っぽい生の海苔を使うことが多かったようですが、風林堂では、創業以来焼きのりを使っています。
最近は、コンビニのおにぎりなどもパッケージが工夫されていて、ぱりぱりしたのりを簡単に召し上がることができるようになっていますが、以前は手軽に食べられるぱりぱり海苔といったらお煎餅の独壇場でした。
その当時から変わらない、米、醤油、海苔の黄金トリオ、これからもずっとスーパースターでいて欲しいと願います。


2011年9月 9日 (金)

澱粉が足りない

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

晴天続きの相模原ですが、昨日までとはやや様子が変り、湿気っぽい空気の朝です。それでも、青空は気持ちがいいので、気分も晴れてきますね。

澱粉 さて、おせんべい屋の仕事に使う澱粉、主に醤油タレの粘りけを出すのに使うのですが、これが少し前から品薄になってきています。
一般的には「片栗粉」と呼ばれて流通していますので、ご家庭でのお料理にも使われることが多いでしょう。

風林堂で取引きしている原材料業者では、今年の春先から25kg入りのものは入荷しなくなり、現在発注しても同じ状況です。 主原料ではありませんから大量に使うわけではなく、小売りのものを少しずつ求めていましたが、割高なのと頻繁に買わねばならないのが面倒なので、オンライン販売を検索したところ、北海道の業者さんが見つかったので取り寄せました。一安心です。

北海道産のジャガイモを原料にした澱粉ですが、不足に至った背景は以下のようです。

『馬鈴薯澱粉は北海道で産する馬鈴薯から近年23~24万t生産されていたが、昨年の天候不順で大幅にイモの収穫が減少。澱粉向けのイモが生食やチップスな ど加工用にも回され、澱粉生産量も16万tまで3割も落ち込んだ。ヨーロッパの馬澱も不作で高騰し輸入が減少、国内市場は一挙にタイトになった。』食品化学新聞11年5月5日号より 抜粋

今年は東日本大震災の影響で、農産物の一大産地東北が甚大な被害を受けていますので、これから様々な農産物の収穫期を迎えますから、影響が懸念されます。 みんなが取り合いを始めると、震災直後のガソリンや米、トイペの一時的な不足に見られたようなヒステリックな現象も起きがちですが、過去の教訓を生かしたいところですね。

2011年9月 7日 (水)

風林堂のマスコット

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

深い爪痕を残した台風12号もやっと去り、快晴の朝を迎えた相模原です。湿度がぐっと下がって来ましたので、気温以上に爽やかさを実感できるようになりました。最高気温が25℃くらいまで下がってくると、一番過ごしやすいのではないでしょうか? 本格的な秋が待ち遠しいですね。

猫

風林堂のマスコットをご紹介。
仕事で通りかかった雑貨屋さんで見つけた猫の焼き物です。高さ約30cmほどで、お店の一番良いところに時々座ります。お値段1050円也はとてもリーズナブル。とぼけた表情が気に入って衝動買いしましたが、ご来店されるお客様にはかわいがっていただいております。



2011年9月 5日 (月)

オリジナルのおせんべいで文化祭を演出

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

台風がやっと日本を通り過ぎ、やや明るい日差しが戻りつつある相模原市です。

秋が近づくと文化行事が増えて参りますが、風林堂でも毎年文化祭に絡めたオーダーメードおせんべいの印刷注文を承ることが多くなります。

海老名高校

写真は本日出荷予定の、県立高校秋の文化祭に向けお作りしたオリジナルの校章入りお煎餅です。今週末2日間の日付が入っていますので、両日開催されるのだと分かりますね。

運動会や文化祭シーズンに、ちょっとした華を添える企画にいかがでしょうか?


Logo手焼きせんべい風林堂のホームページはこちら おせんべいにオリジナルメッセージやイラストを印刷、オーダーメード「ぷりんたぶるせんべい」の詳細はこちら

2011年9月 3日 (土)

アジアのお菓子

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

台風が四国に近づいていると伝えられ、これからの進路が気になるところです。被害が最小で済むよう願いたいですね。

今日からは週末と言うことで、お休みネタをお届けします。写真は過日ソーシャルフレンドから届いたタイ味お菓子の数々です。作っているのは国内のメーカーが多いのですが、所謂定番商品のご当地味味、海外版と言うところですね。

Thai ▲ラーブ味プリッツ ライチ味ブルーベリー味ポッキー タイえびせん 等々

パッケージをよくご覧になると、大手菓子メーカーのマークや商品名がご覧頂けると思います。これらはなかなかに美味で、特に右下の黄色い箱はビールにとてもよく合いあっと今にいただきました。

そんな中に混ざって異色のものが一点、左上に数本あるのが「ドリアン羊羹」。あの、強烈な臭いを放つため飛行機内や、公共の建物やホテルが持ち込み禁止にしている所が多いと言われている果実の王様のお菓子です。

さて、どんなものかと試食してみたところ、「うげー」な臭いと「どひゃー」な味としか申せないくらい強力なものでした。
食については結構好奇心旺盛な私も、飲み込むのにいささか苦労しました。

後日、下さった当人に聞いたところによると、現地タイでは、食物を放置しておくとかならず寄ってくる蟻が、このお菓子だけには集まらないということらしいので、どんなものかある程度ご想像がつくかと思います。

貴重な経験させていただきました(汗)

2011年9月 1日 (木)

相模原秋のイベント

さがみはら秋の祭典2011おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

 
台風の接近で蒸し暑い朝を迎えた相模原です。大きな被害が出ないことを願いたいですね。

相模原市の観光協会から、秋に開かれるイベントのポスターが届きました。これからのイベントは、緑区(旧 津久井町、城山町、相模湖町、藤野町)を中心に開かれるものが多いですね。

公式HPのイベント案内

芸術やスポーツそして食欲の秋、ここに掲載されているものの他にも、たくさんのイベントが企画されています。お手軽なレジャーとして、相模原のイベントに是非お越し下さい。  




2011年8月30日 (火)

オリジナルデザインのおせんべいで文化祭を演出

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

間もなく8月も終わり、今週初めから2学期が始まった学校も多いと聞いています。夏休みの想い出を胸に、元気に新学期を迎えられたお子様も多いことでしょう。

秋は文化祭や運動会の季節。毎年学校や幼稚園などから秋のイベント向けデザインのご用命を頂いている風林堂の「ぷりんたぶるせんべい」今年も既に何件かの受注を頂いております。

文化祭11
写真は今年初めてご注文下さった東京の小学校にお届けする商品です。醤油と砂糖それぞれにイベント名を印刷、本日出荷の予定です。手にされるお子様達に喜んでいただければ作り手としても嬉しいことですね。


Logo手焼きせんべい風林堂のホームページはこちら おせんべいにオリジナルメッセージやイラストを印刷、オーダーメード「ぷりんたぶるせんべい」の詳細はこちら

 

2011年8月26日 (金)

夏休みの旅 木曽路2

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

夏休みの旅写真、二回目をお届けいたします。妻籠宿と馬籠宿の風景などが中心になります。

妻籠宿
▲妻籠宿の通りに面した家々は、商いをされているところもそうでないところも、皆花や鉢植えを置いて、美しい演出をしています。街を上げてお客を迎えようという心遣いが感じられます。

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▲夕闇迫る頃には、軒のあんどんに灯が点りだします。昔の旅人達はこのあかりに癒されたのでしょう。

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▲妻籠宿の中にある築100年以上という老舗「藤乙」の四代目ご主人。
たくさんのお話しを聞かせてくださいました。外国人の宿泊客が8割以上というから驚きです。
しかし震災の後、その見込み客がすべてキャンセルされ、倒産の危機に瀕したと話されていました。

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▲こちらは馬籠宿で見かけた郵便配達。見事な演出です。

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▲瓦屋根と夏空。
馬籠はほとんどの建物が新しく、お買い物ロードになっていて、私にはちょっとがっかりの所でした。

この日印象的だったのは、やはり宿のご主人のお話です。築100年以上の建物は、それは風情があり昭和を通り越して明治時代まで遡ったような錯覚さえ感じました。しかしそこには危険があり、その古さが現代の旅行客に受けることばかりでは無いそうです。今の旅行客は各室トイレ・洗面所付き空調完備があたりまえ、「藤乙」のように客間のしきりは襖のみ、トイレは各階ひとつづつというような設備には、なかなか理解が得られないようだとおっしゃっていました。逆に、海外からの来客は、本物の日本文化に触れられると大喜びして帰れられる方が多いとも話されていましたので、そのギャップにはちょっと驚きました。しかし、建物が旧く、泊まれる客数が少ないことを長所に変え、心づくしのもてなしの心が全員に行き届いていて、それは感動しましたので、物見遊山の旅では満足できない旅人には嬉しい宿と思います。 後継者が無く、そろそろ廃業かとも話されていましたので、それまでには是非もう一度泊まってみたい宿でした。

2011年8月25日 (木)

夏休みの旅 木曽路

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

一昨日から三日間夏休みを頂いて、少しだけ旅をして参りました。中山道の宿場を南から遡り、旧い日本を味わうことができました。旅先で撮った写真を何点かご覧頂きたいと思います。

▼木曽路でも、最も往時の面影を残す妻籠宿。
300m余りの宿場通りは、どこを歩いても風情があります。

妻籠宿
ほうずき

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妻籠宿夜




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