今年も、今日一日を残す亥のみとなりました。例年通り、歳末の需要期で、慌ただしく迎える大晦日となりそうです。仕事に取りかかる前の少しの時間、今年一年を振り返って見たいと思います。
●今年最後の日の出。いつもは、日の出時間にはおせんべいを焼いていますが、大晦日は、自宅3階の窓から見ることができます。
最初に脳裏に浮かぶのは、5月に生まれて初めて体験した入院と加療です。およそ3週間の長きに渡り、仕事が出来なくなるという経験は、小規模事業主にとってインパクト大で、会社の運営について見直しに取り組まざるを得ないエポックでした。常々、ある程度の想定はしてはいましたが、いざ直面してみると、やはり対応に苦慮することも多く、幾多の課題を残す結果となりました。そんな中で状況を救ってくれたのは、インターネット環境を含むITツールです。幸い、今回治療が必要だったのが、片目だけだけでしたので、日常生活で制限される事象が少なく、仕事に関わる様々のデータ類の入手、病院会社間のコミュニケーションもある程度取れました。少なくとも、取引先やWeb予約くださっていたお客さまへのご迷惑は、最低限に抑えることができました。
とはいえ、今回は、診断から入院まで1日の猶予がありましたので、最小限の対応が可能でしたが、これが、即日のことであったらお手上げです。今年の事態を教訓に、バックアップ体制を作る必要性を痛感しています。
2点目は、今年一年を表す文字として選ばれたことにも象徴される「災」です。7月に西日本を襲った豪雨災害。広島県に住む学生時代の友人が被災し、家を失うという事態に遭遇してしまいました。年齢が一歳上なので、来年定年退職を迎える直前という時期で、気の毒としか言いようがありませんでした。当然、彼の人生のロードマップが毀損され、リタイア直前にこれからの人生について、見直しを余儀なくされることになるでしょう。今でも交流が続く、当時から仲の良かった友人数人で相談し、見舞金を贈りました。潤沢と言うわけにはいかず、当座の手当くらいにしかならない額ですので、後のほとんどは、自助になるのは予想されることです。幸い、彼自身や家族の身に危害が及ぶことはありませんでしたので、元気であれば道は開けると信じて、応援して行こうと思ってはおります。大災害が起きる度、自分自身に起きたらと考えてきましたが、身近に起きたことで、益々リアリティをもって受け止める機会となりました。
ここまではネガティブな事態を、今後にどう生かすかという話しでしたが、残りは前向きなお話です。
今年初めからオファーを受けていた、大手流通イオンショッピングセンター橋本駅前店との取引きが、初夏から始まりました。風林堂の立地は、市内の南端に位置にあります。平成19年の合併で、とても広くなった相模原市にあっては、物理的商圏が市の四分の一程度をカバーするに限られていましたが、今回の取引きで、市北部の皆様へのアピールができるようになり、取引開始から順調に売り上げをいただいております。来年以降の展開についても期待が持てる状況なので、積極的に取り組んで参りたいと思っています。
もう一点、こちらは降って湧いたような話題でしたが、11月の初め、地元のテレビ局、TVK(テレビ神奈川)の番組取材とオンエアがあり、その好影響が長く続いているということです。オンエア当時このブログにも書きましたが、ローカル局とはいえ、さすがにテレビ番組の力は大きく、放映から二週間余りは、番組を見てのご来店。あるいは、店までの経路を教えて欲しいという問い合せが多数続き、慌ただしい日々が続きました。このブログや、風林堂ホームページのアクセスも飛躍的にアップしました。こうした繋がりを持って下さったであろう新規のお客様が、年末の時期に、再びギフト購入にいらして下さっているようで、例年の年の瀬とは、少し違った様相になっているのも感じております。
大晦日、始業前のひととき、ざっと振り返ってみましたが、この他にも大小様々の取組みをして参りました。来年に向けて、いくつかのプランも温め、実現に向け動き出したいと思っております。あと一日、お客様をお迎えし、一年を締めくくりたいと思います。
応援してきた地元ラグビーチーム、三菱重工相模原ダイナボアーズが、入れ替え戦を制して来期トップリーグに昇格することになりました。おめでとうございます!そして、嬉しい!
下部リーグでは、常に最上位の成績を収め、毎年のように昇格のチャンスを得ながら、今一歩のところで涙を飲んできました。特に昨シーズンは、入れ替えの一戦が同点と言う結果で、まさに紙一重の悔しさでした。遂に悲願が叶いましたね。
来年は亥年。チーム名は猪にちなんでいますから、正にグッドタイミング。干支と重なる年に、トップリーグに殴り込みとなるわけです。大活躍期待したいです。
●チームのFacebookページに掲載された写真。昇格を決めた直後、歓喜の一瞬ですね。
チームのマネージャーから、昇格を報告するイベントでメッセージを入れたおせんべいを使いたいというオファーも頂戴しました。今から楽しみにしています。
来年秋に予定されている、消費増税を予定通り実施すると、総理大臣が表明したのを受けて、いろいろな動きが出ているようです。一番話題に上ることが多いのが、軽減税率の扱いでしょうか。主に食品を扱う事業者で、持ち帰りと店内飲食で、異なる税率が適用されるというのが原因です。対応する側としては、とても困る状況が生まれるのは明かで、現場での混乱が予想されます。
もう一点、増税による消費減対策として、いろいろ取りざたされているポイント還元セールなども、小規模事業者の中では、決済業者への手数領分が、負担増となるという点で、ネガティブな意見もあるようです。遅れているキャッシュレス決済への対応を、この際一気に進めたいという思惑もあるのでしょうけれど、クリアしなくてはいけないハードルも多そうです。
そして、私が個人的に問題が多いと思っているのは、消費税の逆進性対策として、低所得者向けに販売するとされている「プレミアム商品券」のプランです。額面より低い価格で購入できる金券で、消費時に差額がクーポンになるという、かつて実施された、地域振興券と同じ仕組みのものですね。
なぜ問題だと考えるのか。
その1 低所得者(子育て世代も含めるという話しもありますが)限定で販売するということは、これを使う現場で、「私は低所得者です」と宣言するようなものになる訳です。果たして対象の人たちが、これを受け入れるでしょうか。経済合理的に考えるひとならば、そのようなプライドより実を取るかもしれませんけど。
その2 地域振興券のあと、同じような考え方の金券は、自治体等主体で何度か実施配布され、その都度対象事業者として受け入れてきました。そして、その現場で発生する金銭的、人的コストの大きさを目の当たりにして、対費用効果という点での問題があると感じてきました。もしかすると、役所が主体となる事業ですから、そのあたりの収支分析も、探すと見つかるのかもしれません。低所得者対策とするなら、一定額の現金を配布するほうが、低コストで済むと思いますが、それではダメなのでしょうか。
その3 ベストセラーになった三浦展著「下流社会」の中で、所得に対する消費額の率が最も高いのは、所得中間より少し下の層だということが、調査で解っているそうです。だとすると、今回検討されている低所得者(地方税を払っていない世帯)向け金券は、消費喚起には効果が薄いということになりそうです。地域振興券は、消費喚起と経済活性化というのが、主目的だったから、今回は趣旨が異なるということでしたら、やはり現金配布が近道ですが、タンス預金にならないよう、賞味期限付き金券にするというのであるからは、増税で予想される、消費沈滞の対策も含まれていると考えるのが自然です。クーポン付き金券配布で、消費喚起したいというのであれば、高所得者向けに、クーポン付き期限付き高額金券(額面10万円とか)を発行すれば、即効果がありそうですがダメなのでしょうか。画期的だと思いますが、政治的には難しいでしょうか。
その4 低所得者層対策というのであれば、増税時に一度だけ発行しても、意味ありませんね。10%の税が続く限り、ずっと続けなくては対策になりません。この仕組みをずっと未来永劫続けて行くとすれば、そのコストを負担する新たな財源が必要になってくるのではと心配になってきます。
と言うわけで、連日報道される対策案について私見を書きましたが、実施されれば受け入れざると得ませんので、過去の例に倣えば、金融機関に持ち込む手間と、数パーセントの換金手数料が負担として発生することを覚悟するしかありません。どうか、実施されませんように。
11月3日、地元神奈川のローカルチャンネル、TVK(テレビ神奈川)が番組収録にいらっしゃいました。番組名は「あっぱれ神奈川大行進」。2002年から続く長寿番組です。県内あちこちをスポットで取材録画し、紹介するというちょっとした情報番組です。メインのキャスターは、タレントのデビット伊東さん、局の女性アナウンサー久本真菜さんのお二人。私も何度かか視聴したことある番組です。 昨日の午前11時頃に、大勢(テレビ番組取材としては少人数なのかもしれませんけど)のスタッフと共に、デビットさんご来店、すぐに撮影が始まりました。
●番組HPに掲載されていたスナップショット 私も写っています(^^)
そして、視聴者プレゼントとして、さがみ八撰の巾着袋入りをお求めいただきましたので、風林堂からのプレゼントとして、番組のロゴを印刷した「ぷりんたぶるせんべい」を差し上げました。
慌ただしくも楽しい時間でした。デビット伊東さんは、長くこの番組のメインキャストを務めていらっしゃえるだけあって、とてもフランクで楽しく、且つ礼儀正しい方でした。また、一方のキャスト、局アナ久本さんは、とても快活で、テレビ画面で見るよりずっと美人でした(^^)
番組は、11月3日夜オンエアでしたが、風林堂の紹介が終ると同時に、番組をご覧になったという方から、購入希望のお電話が入り驚きました。
放映された番組は、後日アーカイブとしてYou tube動画になるようなので、ご覧いただけましたら幸いです。テレビ神奈川の見逃し配信「あっぱれ神奈川大行進」
愛読している作家、橘玲氏の書物の中で頻繁に引用される書籍のオリジナルを読んでみました。著者は、米国の経済学者で、ビル・クリントン政権の労働長官を務めた、ロバート・B・ライシュ 発刊されたのは1991年なので随分昔ですが、その内容は現在の格差社会到来を予言する、先見性に充ちた内容です。
アメリカの経済史から始まり、1990年当時の状況解説と、その後訪れる21世紀の労働、雇用環境を予想し、対処の処方箋までに言及しています。
概略は、21世紀のアメリカ人は、スペシャリスト(知識労働)とマックジョブ(マクドナルトのように、マニュアル化された単純労働)に二極化される。本の中では、●ルーチンワーカー ●インパーソン(対人)サービス ●シンボリックアナリスト の3パターンに分けています。
第二次大戦後の成長期においては、日米どちらでも、工場で熟練を積んだ労働者が真面目に勤務すると、マイホームを買って、複数人の子どもに高等教育を受けさせることができた。しかし、20世紀の後半に始まるグローバリゼーションによって、人、モノ、金が自由に行き来するようになると、単純労働の製造業は人件費の安い新興国に移動してしまう。アメリカ国内から仕事の現場を移せない(国際取引できない)、対人サービスの仕事については、低賃金で働く移民に取って代わられる。この内外「ふたつの国際化」によって、先進国労働者は、仕事を失うことになるというものです。一方、知的労働を担う人々の報酬は、青天井となり、経済格差が固定されていくだろうという予見です。今の状況を、見事に言い当てていると思います。
であるなら、打開策として、単純労働で収入を得ていた階層の人々は、自己投資をしてクリエイティブクラスを目指すべきと言う処方箋を提示しています。そのためには、政府は教育予算を惜しまず、多くの国民が、知識社会に対応できるよう対処すべきとしています。
この頃には、この対処法と政策は有効と思われ、いずれアメリカは高度に知識化を遂げた国民のちからで、世界をリードする知識大国になるはずでした。確かに、数々のイノベーションを生んで、テクノロジーの最先端を行く国になっていますが、皮肉なことに、それを担っているかなりの部分は、自分の能力を生かすため、世界中から仕事を求めて集まった人々が占めているのです。そして、トランプ大統領誕生からも判るように、相変わらず仕事を奪われた、かつての中間層が今でも存在し、知識社会に対応できていないという現実があります。「我々に仕事をよこせ」と叫ぶ支持者のため、大統領は保護主義政策を進めています。
有効と思われた処方箋が機能しなかったのには、エビデンスに裏付けられた理由があるのですが、それは別の書物に譲ることにします。
著者のライシュは一昨年、これからの資本主義構築に向けての提言となる内容の本を出していますので、いずれそちらも読んでみたいと思います。
●手焼きせんべい風林堂のホームページ せんべい印刷「ぷりんたぶるせんべい」
●店長酒井浩の私的興味事を中心に書いているブログ相模原徒然
●おせんべいに印刷「ぷりんたぶるせんべい」へのご注文お問い合わせ先
朝、お煎餅を焼きながら聞いているラジオの番組で、今日が最終営業日となる、築地市場の話題を取り上げていました。その中で気になったのが、場外でお店を営んでいる方のインタビューでした。
お料理の出汁を取るための素材、鰹節や昆布、椎茸などの食材を扱っているお店のようでしたが、曰わく、かつて沢山来店してくれた小規模な料理店などの顧客がどんどん減ってきて、売り上げは下がる一方だ。大口顧客は、電話注文くれるので、今でも繋がりがあり、一定の売り上げを確保できるが、このまま来店数減少状況が続くとじり貧だ。築地には、外国人客が大勢来るようになっているので、外からは、賑わっているように見えるが、自分のような商材を扱う店には、外国人観光客の増加は、何のメリットも無いとも。最盛期には、売上金を日々一斗缶に詰めていたそうなので、隔世だそうです。
なるほど、これらはどこかで耳にしたことのある話しです。私が十数年前までお世話になった、小田急線の駅前にあった商店街の店主達も、ほぼ同じようなことを、しょっしゅう話しておられました。また、今でも少しだけ取引きがある、小規模経営の和生菓子製造販売店主の皆さんも、十数年前までは、お店の前に行列が出来、毎日作る菓子が、売れ残ることなど全くなかったと話しています。
共通するのは、かつては儲かったが、今では経営が厳しいということです。
その原因はいろいろあると思いますが、要するにどちらも、市場の変化に対応できていないということに集約されるのではないでしょうか。消費者の購買意欲が大せいで、小規模小売店が、大店法で守られていた時代には、良い思いをされたのでしょう。業者から仕入れたり、作り慣れたお菓子を、毎日変わらず店頭に並べるだけで、消費者が列をなして買い求めてくれた時代。やがて、販売の主役が、近隣スーパーマーケット、郊外の大型ショッピングセンターへ移り、加えて、コンビニエンスストアーという業態の出現。21世紀になってからは、ネット通販も主役の一翼を担うようになりました。これら、強力なライバルの前に、有効な対抗策を打ち出せないでいる間に、高度成長の終焉と、その後に訪れたバブル経済を経た後の崩壊によって、消費者の財布は、固く閉ざされるようにもなりました。小規模商店の危機とは、こういったところではないでしょうか。
しかし、これら商環境の変化は、一朝一夕に起きた訳ではありませんから、経過の途中で危機感を抱き、対応策を練ったひとは、今でも生き残っているはずです。狭いテリトリーで、固定された顧客をターゲットに商いをしていてば、やがて行き詰まるはずです。打開するには、大手流通が到底マネできないであろう、フェイストゥフェイスの濃いサービスを極めて顧客の心をつなぎ留めるとか、消費者を驚かせるような革新的商品を開発したり、探し出してきて独占的に扱う、あるいは、新たに広大な市場を求めて打って出る、または、徹底的にニッチな市場を狙うことくらいしか対策はありません。(個人的には最後の策が一番良いと思いますが)
これらの中の、いくつかを複合して実践れば生き残れたはずです。小規模事業者は身軽ですから、都度柔軟な対応ができたはずですし、行政が数々用意してくれた手厚い補助策を利用することも、選択肢にあったと思います。はっきりしているのは、事業がうまくいっていない商店に、後継者がいるとは思えませんので、やがて店舗のシャッターを下ろしたままになっていくであろうということです。
インタビューを受けていた、築地場外市場の方が、市場の移転に伴い、これからどうされるのかは判りません。もしかしたら、昔の蓄財で、これから悠々自適に過ごされるのかもしれません。ただ、かつては、日本中どこにいっても普通にあって、地域コミュニティーの核を担っていた商店街が確実に減っていて(築地場外市場は、これらとは少し異なるかもしれませんが)、その流れが停まらないのは、商店主自身に責任があるということだけは、間違いないと思うのです。
工場スタッフに退職者が出たため、久しぶりに募集広告を出しました。以前に作ったことのある原稿を、少しだけ手直ししての掲載でしたので、あまり手間もかからず、スムースに進みました。
最近は、労働市場の人手不足感が高いとの認識でしたので、久しぶりの求人にレスポンスがどれくらいあるのか、若干の不安もありましたが、配布された日曜日中にも問い合せがあるなど、好感触で、無事採用することができました。
前回は、数年前の掲載でしたが、大きく異なっていたのは、応募者に、リタイアされた男性が多かったことです。定年退職後とはいえ、60歳少し超えたくらいで、健康であればまだ十分現役。過密や厳しい労働は避けたいが、時間を有効活用されたいというご希望と、弊社の条件がマッチしたのかもしれません。
今の製造現場が、私を除くと、全員女性なので、高齢の男性が働く環境としては、厳しいかもしれないという理由で、今回はお断りしましたが、経験豊富な男性を、労働力として考えることも必要だと考えさせられる出来事でした。