2026年1月 6日 (火)

輝け2025年マイベスト映画

ということで、お正月気分もほどほど抜けた今頃になって、昨年を振り返ってみたりして。動画配信サブスク偏重のせいで、劇場鑑賞は僅か20本に止まりました。なかで気に入ったのがこれらです。左上から、ブータン、ラトビア、ブラジル・フランス、アメリカ、インド、ベルギー・フランス、フランスと国際色豊かなセレクトとなりました。スーパーマン以外は、シネコンでは見られなかったかもなので、頑張ってる小劇場に感謝であります。右下端は、家内の大プッシュで入れました。映画仲間と集うとき、頻繁に行っていた、新宿ミニシアター「シネマ・カリテ」がまもなく閉館してしまうことになり、悲しんでいる26年初頭であります。これ以上減らないでね。

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手焼きせんべい風林堂のホームページ せんべい印刷「ぷりんたぶるせんべい」
●店長酒井浩の私的興味事を中心に書いているブログ相模原徒然
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2025年12月31日 (水)

2025年を振り返って

今年も、今日一日を残すのみとなりました。相模原市は晴天となり、穏やな年越しとなりそうです。皆様、どんな一年を過ごされたでしょうか?国内では、様々な要因から食品を中心として物価高が止まらず、中でも、昨年起きた米不足の影響が長引き、新米が出回っても価格は下がらず、家計を圧迫しています。内閣が変わり、年末には生活支援に関わる予算も付いたようですが、効果が現れるのはいつ頃になるのでしょうか?金利が付く時代に戻り、大都市のマンションを中心とした不動産価格は天井知らず。つられて、賃貸価格も上昇傾向と聞きますので、現役で働く皆様には、来年以降も経済的な厳しさは続くかもしれないですね。新年度、物価上昇を超える賃金アップと、年末に決まったいいわゆる「年収の壁」引き上げで、少しでも可処分所得が増えれば、国全体の経済活性化に繋がるかもしれません。来春以降注目ですね。

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2025年 最後の日の出

風林堂の25年は、何と言っても4月末で店の営業を終え、同時に、多くの取引先への商品供給も終えたことに尽きます。営業終盤には、お客様から閉店を惜しむ声を多くいただき、とても感謝したことを思い出します。5月以降は、家族のみで少しだけ製造を続け、市のアンテナショップなど、一部でですがまだお求めいただくことができますが、それも間もなく終了予定です。長きに渡り、風林堂のせんべいをご愛顧くださった皆様には、あらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。小田急相模原駅前サウザンロード商店街に最初の店を出し、今の下溝に工場移転、この間35年近く大晦日まで店を開け、サウザンロード商店街時代は元旦から、下溝では2日から営業という生活をずっと続けてきましたので、お正月休みという経験をするのは随分久しぶりです。年末に、住まいの内外を丁寧に掃除するのも初めて、気持ちよく新年を迎えられそうです。

それに伴い新たな動きも始まりました。弊社の意向を聞きつけられた方から、「ぷりんたぶるせんべい」の事業を引き継ぎたいとの申し出をいただき、現在、引き継ぎの準備中です。せんべいい製造から、お客様のご意向をせんべいに表現し、お渡しするまでの流れとノウハウを上手く伝え、滞りなく受注できるよう注力しているところです。例年3月の年度替わり時期が、新年最初の繁忙期ですので、それまでに万全となるようしたいと思っているところです。

プライベートでは、5月以降仕事量を減らしたことで、自由な時間が増えました。長いこと、休みは月毎正味2日くらいという生活でしたので、朝起きて自動的に始まる仕事が無くなった当初は戸惑いもありましたが、それは、定年等でリタイアされた皆さんに同じ感覚と思います。ほどなく慣れてきて、写真撮影に出かける機会も増え、撮影後、新規撮影した作品を、すぐにデジタル現像したり、フィルム時代のストックをデジタル化して、加工したりするのも楽しみになっています。もうひとつの趣味、動画配信で映画を見る機会も増え劇場鑑賞を含め160本ほど見ることができました。リタイア後の楽しみとして、写真作品を載せる新たなブログをはじめました。「風景写真のブログ」来年は、映画レビュー専用のブログを始めようか思案中です。

その延長で、来年4月下旬に小さな写真個展を開くことに決め、年明けには準備に着手する予定です。案内状の準備は済みましたので、年明けには友人知人に発送し、ご来場いただけた皆さとお会いできるのも楽しみです。

こうして、25年夏ころから、個人的にはスローな生活を楽しむことができていますが、それも健康あってのこと。男性の健康年齢は、平均70歳代前半と言われていますので、思っているより短いと思います。後悔しないリスタートになればと思いながら過ごす、セミリタイア65歳の年末です。

皆様よいお年を。


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2025年12月22日 (月)

映画レビュー「ザ・スクエア 思いやりの聖域」

2017年パルムドール受賞作品を動画配信で見ました。これ実は、公開当時に劇場鑑賞しています。その時は面白いと感じながらも、これがパルムドールね~と、あまり自分に刺さる感じではなかったですが、今回じっくり見直して、その面白さを深く実感した次第です。2017年のスウェーデン作品です。

現代美術館チーフキュレーターである主人公の周辺に起きる出来事を追いながら、北欧エスタブリッシュメント・リベラルの偽善を剥ぎ取り、人の本性を曝すという、リューベン・オストルンド監督得意の語り口が痛快すぎて、笑ったり、もやもやしたり、目を背けたくなったりと、大人の感情を鋭くえぐる作品です。

ここで言う「北欧エスタブリッシュメント」は、通常使われる、英米の支配的階級層を指すのと少し違って、教養がありリベラルで、弱者に理解があると自認している文化・知識エリート、今流行りの言葉で言えば「意識高い」人々と理解するのが正しいようです。

そのとおり、舞台となる豪奢な王立現代美術館の威風堂々とした姿は、権威の象徴のように見えます。そこの花型キュレーター、クリスティアン。すらりとしたハンサム。テスラEVに乗り、知的で洗練された立ち居振る舞いの彼が打ち出した新しい展示企画が、作品タイトルになっている“ザ・スクエア”。石畳に正方形の枠が作られ、展示プレートには「『ザ・スクエア』は、信頼と思いやりの聖域です。この中では、誰もが平等の権利と義務を持ちます」と書かれています。リベラルをベースとした普遍の価値観です。素晴しい!

ある日、クリスティアンは、出勤途中にスマホと財布を盗まれます。それを取り返そうする行動から起きる騒動がストーリーの基調。その同じ時間軸上で、彼の周辺のエピソードを交えて、「ザ・スクエア」的価値観と、現実との齟齬をちりばめて行くのです。

そもそも、現代美術という、およそ普通の人には理解できなさそうな芸術を扱う王立の美術館って、高尚な文化と知性の象徴です。多くが、日用品だったり、建築や工業資材だったり、天然の水や岩石だったり、時には廃棄物だったりを並べたり組み上げたりして、深いメッセージを込めた芸術作品だとするものを、どれくらいのひとがその本質を理解できるのか。美術館とその周辺にいる人々に、「私たちは、それが解るんだもんね~」と、言わば上からの目線で言われているような気分でいるのは、私だけではないでしょう。(凡人のひがみかも知れないけど)

描かれる数々のエピソードは、この上ない批判精神に溢れ、ときに観客に対して「自分ならどうするか」を突きつけてきます。特に、美術館主催で開かれるディナーパーティで催された企画、会場に現れるマッチョな半裸の男が扮する「ゴリラマン」。招待客達はその存在を、独特のパフォーマーと受け入れ、ユーモアと寛容を持って受け入れます。しかし、「ゴリラマン」の行動は次第にエスカレートし、野生のように振る舞い始めます。愛嬌ある行動→咆哮、威嚇、身体接触。観客達は戸惑い始め、感情を制御しようとする知性や教養と、不快や恐怖という本能との間で立ち往生します。見事なのは、見ている観客にもたらす当事者感覚です。女性が被害者になりそうになるに至って、座視していた男達が、排除のために行動を起こすことで満たされる安堵感。私たちが、作り手の手玉に取られる瞬間です。

もう一点大事な視点があります。クリスティアンがスマホと財布を取り戻すために起こす行動によって、ある少年と接点を持ちます。少しくせのある黒髪の彼は、おそらく中東からの移民と推察されます。(ネイティブの人なら、発音の違いも解るかも)泥棒扱いされたせいで、親から罰を受け憤慨している彼を、厄介者として排除しようとするクリスティアン。近年、ヨーロッパ各地で問題になっている移民政策についての現実も目にすることになります。“ザ・スクエア”主催者が、貧しい移民に接する態度はそれでよいのですかと。

クリスティアンの身辺に起きる諸問題は、結局未解決のまま、非常にもやもやしたままエンディングを迎えます。娘のチアコンテストで耳にしたコーチのセリフで、少しだけこころを入れ替えた彼は、これからどうなるのでしょう。作品冒頭から、折々登場するホームレスで物乞いの人々。主人公が、彼ら彼女等に接する態度の明らかな変化にも、示唆があるのですね。

人間観察、社会学的視点からのアプローチ(監督談)、風刺や皮肉満々載の今作。違う視点でひとの本質を鋭く突いた次作「逆転のトライアングル」と比較してみると、より楽しめると思います。こちらも大オススメです。逆転のトライアングルレビュー

ザ・スクエア 思いやりの聖域 (The Square)2017年 スウェーデン

1凡人には難解な美術館展示作品 終盤のネタにされます

4大人のオトコを爆笑させるシニカルなシーン

8いかにもな広告代理店の二人。昔、日本にもこの業界人をネタにしたぶっ飛んだ漫画がありました。

6ゴリラマンと招待客。このあとエスカレート。

5クリスティアンに猛烈抗議する少年。最近観た映画キャラクターの中でも出色。

7ゴミの中から何かを探そうとするクリスティアン。


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2025年12月 6日 (土)

学校・幼稚園からの「ぷりんたぶるせんべい」ご注文

風林堂の店舗は、2025年4月末を持って営業を終えましたが、おせんべいにイラスト、メッセージ、名入れ、ロゴ等印刷できる「ぷりんたぶるせんべい」のサービスは、オンラインを中心に承っております。今年は、例年に増して、学校や幼稚園からのご注文が多く、1回にまとまっての納品となるので、製作数も多くなっています。最近ご注文賜わったデザイン等を披露いたします。

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東京の私立学校から、毎年同時期に頂戴しています。

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同じく、東京の中高から大学まである私立学校から。毎年、文化祭のバザーで販売してくださっています。

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静岡県の市立幼稚園から。周年記念の文字と子どものイラスト入りです。

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東京の、公立小学校の創立周年記念の文字と、学校のキャラクター、校章をあしらいました。2枚組のセットにしてラッピング納品。


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2025年11月13日 (木)

山と渓谷2

前週に引き続き外歩き。紅葉が進み始めた頃だと思い、天気予報が晴れなのを確認して出かけました。箱根外輪山のひとつ明神が岳。神奈川では人気の山のようです。平日にも関わらず、上り下りとも多くのハイカーと行き違いました。意外にも外国人が多くびっくり。金時見晴パーキングに車を駐め、ガイドでは往復3時間とされているコースを、4.5時間かけてゆっくり歩きました。コースの多くが尾根に付いているので、山の形状に沿って登ったり下ったり。往復ほぼ同じ時間がかかりましたが、登りでは振り返ると、下りではいつも正面に富士山が見えるので、楽しい山でした。富士山の左手前にあるのが金太郎伝説がある金時山です。

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木漏れ日の差す登山道は、気持ちが良かったです。


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2025年11月 5日 (水)

山と渓谷

11月に入り秋めいてきました。雨の多かった今年の10月は、外を歩く機会も少なかったので、天気予報で、周期的なお天気が続くようになったのを確認して、2週続けて外歩きと撮影に出かけてきました。

10月最終週に、山梨県の渓谷。11月最初の三連休明けに、神奈川県内の低山。どちらも、まあまあのお天気に恵まれ、気持ちの良い外歩きが楽しめました。

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【渓流寸景】紅葉を期待して行きましたが、まだ少し早く、木々の色づきはありませんでした。少し散り落ちた葉が、秋らしさを醸しました。

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【源流】渓谷遊歩道の一番奥あたりにある流れ。奥に見える木々が紅葉したら綺麗だろうなと想像してシャッターを切りました。

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【石鳥居】渓谷へ向かう道沿いで見つけた小さいお社に立つ鳥居。帰り道に車を止めて撮りました。青空に向かって、すっくと立つ姿が美しいです。


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2025年10月20日 (月)

映画の集い

Facebookで知り合った同好の友人達と、定期的に開催しているオフ会。先日半年ぶりに開催しました。メンバーのお宅に集合し、長時間に渡り、ひたすら映画の話をするという至福の時間です。Facebookに投稿した内容からコピペします。

昨夜は恒例となっている映画仲間の集まりでした。今回の宿題テーマは「犯罪」。映画の題材になりやすいテーマでしたが、メンバー各人が勧める、軽いの重いの、恐いの笑えるの、リアルなの荒唐無稽なの等々バラエティ豊かな作品が披露されました。動画配信されているものには早速チェックをいれて、今後順番に見ていくことにします。今回のプレゼンで、動画配信サービスは「U-NEXT」最強という説が有力になったため、これから登録者が数人増えることになりそうです。

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昨日、映画仲間集まりの前に劇場鑑賞した新作が素晴しかったので紹介。ベルギー33歳の新鋭監督が撮った、クライムアクションスリラー。「ナイトコール」 主人公普通の若者が巻き込まれる殺人犯罪絡みの現金争奪戦。息もつかせぬ展開、抜群のカメラワーク、テンポの緩急バランスが秀逸で映像音共に素晴しい。ブリュッセルの美しい街並みと石畳の風景にも目を奪われます。文句付けようのないアクションエンタメ。長台詞が少ないのも、字幕鑑賞者にはありがたく、1時間半ほどと、アクションものにはちょうど良い長さなのも大変好感度大。犯罪の背景や人物像には深入りせずアクションにフォーカス絞ったのも、世界で売るには良い選択と思います。一緒に見た友人共に大絶賛しました。

ナイトコール La nuit se traîne (夜は長引く)2024年 ベルギー・フランス合作

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2025年9月29日 (月)

昨日は、近所の県立公園で開かれた、食のイベントに行ってきました。「相模のグルメ 食散歩フェスタ」週に数回歩くウォーキングのコースなのですが、イベントのことは知らず、いつものように早朝に行ったら出店者達が準備を始めていたので、調べたところ、なじみの業者さんの名がが多く見られたので、昼過ぎにもう一度歩いて行ってきました。揚げパン、唐揚げ、おまんじゅう、中華の点心など、いろいろ買い求めたり、はたまたもらったりして、帰りには両手に沢山の手提げ袋。昼食と夕飯に美味しくいただきました。風林堂も、以前はこういったイベントに出店したこともありましたので、久しぶりにお目にかかった出店者の方々との楽しい時間を過ごせました。お店を営業していた頃には、週末に多く開かれるイベントに出向くことは難しかったですが、これからはそんな機会も少しは作れそうです。

Photo熱気球の体験イベント

2音楽やダンスパフォーマンスも

1広い芝生広場にバラエティに富んだ沢山の出店者


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2025年8月25日 (月)

100本目「アメリカン・ヒストリーX」

今年100本目の作品 仕事を半分退いてから鑑賞ペースがアップしてます。 

エドワード・ノートンが、狂信的な白人至上主義者を演じ、その役作りはかなりすさまじい。マッチョボディのスキンヘッドに鉤十字のタトゥー。その口から吐かれるセリフ「野放しの不法移民200万人に30億ドルの支援、犯罪検挙に税金が4億ドル使われた。南の国境は無意味で、移民を守ろうとする政府のせいで、正直で勤勉な米国人の権利は不当に扱われている。自由の女神には『貧困を救う』と書かれているが、貧しいのはアメリカ人だ。」こうして貧しい不良白人を洗脳する、見事なプロパガンダ。「黒人男性3人にひとりは犯罪者だ。統計の数字が不平等社会の反映というのはねじ曲げられた解釈だ。」リベラルな母妹、ユダヤ系の母の恋人に言い放ち絶望させる。アジア人の自分としては、絶対に近づきたくないと心底思う。反グローバリズム、外国人排斥思想が広まるロジックはこういうものかとも。

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映画は、ノートン演じるデレクが、黒人への暴行殺人で服役出所後にどうなったかがメインテーマになるのだが、そこはおよそ想定通りに進む。とても解りやすい展開なので、どんな人々が見ることを想定して作ったのだろうというのも明快だ。着地点はどうするのだと、ハラハラしながら迎えるエンディングは予想を超えていたが、自分としては、2つに分れるだろうと想定される「そこからどうするの?」というところを一瞬でよいので描いてくれたら、もっと高評価になったと思う。

先進国で広がっていると言われる政治的右傾化。経済的不安、文化的摩擦、自らの地位や将来への不安感の解消先として自身が属する集団以外の他者への攻撃という行動に繋がっているらしい。かつてアメリカ開拓期には、「アメリカはヨーロッパの白人移民が作った国だ」という理屈の下に、先住民族および非白人を敵視する映画作品も沢山あったことも思い出す。多様性を容認する21世紀型リベラリズムが躓きつつあるのは、各国の選挙結果などからもうかがい知られる。「●●ファースト」という言葉の背景がこれらだとすると、その響きにゴロテスクなものを感じてしまう。

兄デレクを盲信する弟を演じたエドワード・ファーロングは、T2のジョン・コナーでした。

アメリカン・ヒストリーX American History X 1998年アメリカ 動画配信で鑑賞

2025年8月 9日 (土)

閉店3ヶ月

風林堂のお店を閉じ、ほぼ同時期、お取引くださった主立った事業者さまとのビジネスも無くなり、仕事量がかなり減ってからおよそ三ヵ月が過ぎました。それまでは、週に5日以上おせんべいを製造し、6日間店を開け、まとまった休みは8月と1月の末に少しだけ頂戴し、多くの小規模事業者がそうであるように、休日にも半分くらいは仕事に割くことが多く、言わば●●暇無し生活を長く続けてきました。生活がほぼ仕事中心に回っていたといっても過言ではありません。現役の皆さん同じと思いますが、朝になると(夜の方もいるでしょうけど)その日の仕事スケジュールに沿って動き始め、合間に仕事以外の身体や生活の維持に必要な事柄をこなし、自由になる時間にはたまに息抜きをしてという生活パターンを長く続けてきました。そんな毎日が、4月30日に終わり、5月以降、製造に携わるのが週に2~3日。残りは、比較的自由に時間を使えるようになりました。

定年退職された皆様も同様かと思いますが、仕事の無い一日というのは、自由なようでなかなか戸惑いの多い日々です。休まず働いていた頃には、もっと休みがあったら、あれもこれも出来るのに・・と望んでいたはずなので、その渇望感は意外にも少なく、少し持て余す時間が増えてしまい、貴重な時間を、何だか無駄にしているのではないかと焦る気持ちも起っています。幸い、好きな映画を見て、同好の士と談義を交したり、写真撮影に行って、SNSやブログで公開し、感想を頂戴したりというのは楽しく、生活のアクセントになっているのは間違いなところです。ただ、それらを仕事の代わりに打ち込めるかというと、なかなかそうはいかないのが現実です。今年末から来年にかけて、完全リタイアの計画もあり、それまでにもう少しポジティブな毎日が送れるよう、何か考えていくのが吉かと思っているところです。

私は、父が創業したおせんべい屋の後継になると早い時期に決めていましたので、大学卒業時の就活苦労を知らず、組織で働く多くの皆様と違って、人間関係で悩むことも少なく、取り組むべき仕事の目標が定まっていましたので、恵まれた仕事生活だったと振り返っています。昭和の後半、日本のGDP(当時の指標はGNP)は世界2位で、『ジャパンアズナンバーワン』がベストセラーになった時代。日本全体に勢いがあり、やがて「24時間働けますか」がもてはやされることになるバブル景気前夜で、求人倍率が高く、学生にとっては「売り手市場」でしたから、多くの若者が、とりあえず大学卒の肩書きがあれば、就職はでできた時期だったかと思います。そんな時代の空気もあり、私自身ものんびりして自由な学生生活を送り、得がたい経験も出来たことに感謝するのですが、勿論そんな時代に合っても、取組みや意識によって成果や結果に差が付くのは当然で、リタイア時期になった今となって、実感を持って受け止められるところです。私自身も、稚拙ではあったでしょうが、自己研鑽は怠らなかったと多少の自負は持っています。

社会人として組織に属し競争社会を生き抜いてきたた皆さんには、新卒時やその後の仕事に於いて、自分自身の強みとその根拠、会社への貢献能力などを顧みたり分析したりする必要があったかと思いますが、自己分析に取り組む機会が少なかった自分には、アピールできるどのようなアドバンテージがあるのだろうかと振り返ってみたとき、いささか寂しい思いがあります。基本文系なので、中高生時代に、国語や社会科はずっと高得点を取ってきましたが、特に高校以後の理数は及第点を取るのがやっと。大学は勿論文系学部を選択しましたので、現代社会に求められる理数スキルには、ほぼ到達しないだろうと思います。一方、こうして雑文を書いたり、本や映画の感想文を書くのは好きですし、趣味の写真撮影は、中級の上くらいまでは進歩した手応えは感じています。ただ、これら好きなことがマネタライズに繋がるかというと、おそらくノーだと思います。このような分野では、特に秀でた一部の人だけが成功できる言わば狭き門を通り抜ける能力と運が必要。そういう一か八かに人生を賭ける選択はなかなかできません。

一方、会社業務各所に目配りしながらの舵取り、少しの個性を発揮して市場にポジションを得ていくというような、小規模企業経営者として最低必要な能力はあったかもしれませんんが、会社をどんどん成長させるほどの能力には乏しく、またそのような道を選ぶというのも性に合っていなかったような気もします。もしかしたら、経営者より専門職に向いていたのかも知れません。また、企業経営者に求められる資質として、かつて。1990年代初めくらいまでは、アイデアを生み出すことができる経営者(または経営陣)が優れているとされていましたが、今では、そのような人材をマネジメントできることが最も求められる資質だと聞いたことがあります。そのような視線からは、私は過去タイプの経営者だと思いました。

このように、言わば、器用貧乏で大した取柄も無い私が、曲がりなりにも30年以上会社を維持できたのは、唯一「目標達成能力」を備えていたからではないかと思っているところです。カッコ良く言うと「Grit(グリット)」でしょうか。アメリカの学者が提唱した概念で、「やり抜く力」と訳されます。これは単なる粘り強さだけでなく、情熱(Passion)と粘り強さ(Perseverance)の両方を合わせたものと言われています。この概念を知ったとき、もしかしたら自分にも少し備わった力なのかもと意識したのを覚えています。昭和以前の日本で主流だった、精神論に基にする、嫌いなことでも「歯を食いしばって頑張る根性」とは異なり、自分の好きな分野で興味を失わず、目標達成に向け努力し続ける力だそうです。短期的長期的な目標を立て、その達成のために、状況分析と道筋の設定。必要なリソースの調達。個人事業主や小規模企業に最低限必要な能力ではないかと思いますが、それを仕方なしに取り組むか、前向きに取り組むかでは、モチベーションの量が変わると思います。これまでの道のりでは、大きな危機に直面したことが何度かありました。父の代の資産や家族の助けはありましたが、その都度自分なりに努力して乗り越えられたのは、この力のおかげだったのかも知れません。

現役で就業していたころは、楽しいよりどちらかというと辛さの記憶が多いと振り返っていますが、投じた努力が結果として見えやすく、やりがいがあったことは間違いありません。それは何より幸福だったと思っています。長い間寄り添い伴走してくれた妻にも感謝は大きく、やっと少しゆっくりして貰えることで、多少はお返しが出来るかとも思います。シンガーソングライター、イルカによると、人生をフルコースとすると、60歳以降はデザート世代と呼ぶのが良いとか。頑張ってきたご褒美の時間を、少しだけ楽しめればと願います。心身健康なうちに。

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