2008年5月 9日 (金)

おせんべい作り 人気の「ざらめ」

 風林堂の商品で、常に高い人気を博しているのが、おしょうゆせんべいにザラメ糖をたっぷり付けた甘辛おせんべいです。 基本的にみなさん、ちょっとくどい系の甘辛の味付けがお好きなのでしょうね。
 作り方は意外と簡単で、普通より少し濃いめに味付けしたおしょうゆ味せんべいにザラメをくっつけるだけなのですが、乾かした後、ザラメが剥がれて落ちないようにちょっとした工夫も加えてあります。

Zarame2


風林堂の煎餅の味付けは、写真のような金網のかごに入れ、しょうゆタレのたっぷり入った樽に漬けるところから始まります。焼けたおせんべいをある程度まで冷ましてから漬けますが、これはタレとおせんべいの温度差が大きいと、おせんべいの中までタレが深くしみこんでしまい、しんなりしたぬれせん状態になってしまうからです。つまり、逆に考えると、近年人気が高まっているしっとりした半生ぬれせんは、水分の多めのタレに高温のままのおせんべいを漬け、タレを中まで染みこませててやるとできるわけです。

Zarame3タレにどっぷりと漬けたおせんべいは、そのままではしょっぱすぎるので、すこし余分なお醤油を落としてやる必要があります。 仕組みは電気洗濯機の脱水と同じで、おせんべいの入ったかごを回転させ、その遠心力で余分なタレを振り落します。

 ここで乾燥させてやると、普通のお醤油おせんべいになりますが、砂糖をくっつけるため前述のように一手間加えてやります。


Zarame_3 醤油ダレが乾かないうちに、粘着力の高い特殊なでんぷんを振りかけると、もともととろりとしていたタレが更に粘ってきて、さらさらのザラメ糖がおせんべいの表面にべたっと付くようになります。 裏表均等に付けていきますが、作業をする従業員の皆さんも、甘辛ズキの方が多いので、みんなたっぷり付けてくれます。 この後、せっかく付けた砂糖を落とさぬよう、そっと扱いながら乾燥させます。 
←こうして1枚ずつ丁寧に付け並べていきます

ゆっくり乾かした後、出来上がり~。 

風林堂のザラメせんべいは、おせんべい自体を割とさっくり焼き上げていますので、独特の食感も人気となっているようです。 なんだか食べたくなってきませんか~?


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2008年5月 7日 (水)

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」

Therewillbebloodアカデミー主演男優賞ダニエル・デイ=ルイスが演じた主人公は噂どおり凄かった。

 後味の悪い映画です・・などと書き始めると誤解されるかもしれませんが、主人公「ダニエル・プレインヴュー」の半生を延々と綴るこの長い作品を見終えて爽快な気分になれる方は、相当屈折した人生を送っていらっしゃるとしか思えません(笑)・・・ が、2時間半以上、最後までスクリーンに釘付けになりました。 

 100年前のアメリカ、一攫千金を望み、金の採掘から石油堀へと転身し、己の欲望と野心のためには非道もいとわない男の半生に共感を持つことは、現代の日本で普通の社会生活を営むヒトビトにはかなり難しいでしょうから、初め観客はかなり距離を置いて見ざるを得ないと思います。眉間にシワを寄せながら・・。 しかし、彼の生き様に象徴される強欲や人間不信などは、ほぼすべての人が持つ影の部分でもあるので、結局はどこかで受け入れざるを得ないのかも知れません。

 ストーリーの前半では、まだ人間味を見せるときもあるダニエルですが、天敵とも見て取れるカルト的な宣教師イーライ・サンデー(ポール・ダノ)との確執も相まって、中盤以降の欲にまみれたいやらしさぶりには参ります。いやはやすごいとしか形容しようがありません。「ギャング・オブ・ニューヨーク」での悪党ぶりも見事でしたが、更に凄味を増しているようです。

 "There will be blood" とは、"そこに血があるでしょう"=・・みたいな訳になるのでしょうか? 血とは勿論血縁の意味もあるでしょうし、あるいは現代文明の血液「油」の意もあるのかもしれません。 血の繋がりのない息子H.W.、途中で現れるダニエルの弟になりすました男、彼らへ扱いからもタイトルの裏側が透けて見えるようです。

 舞台はほとんどがアメリカの荒野で、乾いた岩と砂ばかりの風景にもかかわらず、映像はとても美しくつくられています。上のチラシの背景にもある、油井が炎を上げて夕暮れの空を焦がすがごとく燃えさかるシーンなどは、その真骨頂です。 また、全編に流れる呪術的な響きを持ち、不安をかき立てるような音楽も、作品テーマととてもマッチしていますのでこちらも注目です。

 最終盤は、財をなしたダニエルの邸宅内での出来事で締めくくられますが、エンディングのために用意された豪奢で洗練された美しい舞台と、最後の恐怖との対比がお見事です。

あ~胸くそ悪いが、すごい映画だ。


at 立川 CINEMA CITY

2008年5月 4日 (日)

相模原のGW 大凧と鯉のぼり

Kaito 日本中、GW休暇のまっただ中ですね。 当初の見込みより、関東地方のお天気はイマイチのようですが、せっかくのまとまったお休みですので有効にお使い下さいね。

 風林堂では残念ながら連休は頂けませんが、相模原でこの期間に行われる行事を紹介します。

 左は隣の座間市と日本一の大きさを競っている凧です。 5月4・5の両日、相模川の河川敷数箇所を会場にして、大勢の観客を集め、地域の一大イベントとして開催されています。14.4m四方、重さ約1tという巨大な凧ですが、写真のものは、小田急線相模大野駅の吹き抜け通路に飾られていたものです。後ろの窓の人影と比べるとその大きさがおわかりいただけるかと思いますが・・。 以前、同保存会の会長に伺った話では、風速15m以上が安定して吹かないと、その巨大さゆえなかなか揚がらないとのことですが、果たして今年はどうでしょうか?

 相模原市は、昭和の大戦後急速に発展した街が多く、歴史的な資産や文化財などが豊富という訳ではありませんので、江戸時代から続くというこの大凧は、市民の貴重な財産なのですね。

Carp_2

 さて、もう一方は、同じく相模川のずっと上流で開かれる、「泳げ鯉のぼり相模川」。行政が実行主体で開かれるイベントです。 相模川の両岸に太いワイヤーロープを張り、1200匹以上という鯉のぼりを一斉に泳がせようという企画です。 川面を渡る皐月の薫風に泳ぐ沢山の鯉のぼりはなかなか壮観です。

3年ほど前チャリンコで、汗かきかき行ってきました→

  地元の特産品などが販売されるなど、活性化に一役買っているようです。 

全国の皆様、是非一度おはこびを <(_ _)>

2008年4月30日 (水)

明日から値上げ?ガソリン・軽油。

 今日、改正租税特別措置法が衆院本会議で可決しました。これにより明日から上乗せ分税率が復活することになり、今日中に駆け込もうという皆さんで 朝からスタンドは混んでいましたが、夕刻からはどこも給油待ちの列ができはじめ、価格が少し低めに設定されているセルフ方式のところには、かなり長蛇の列となっているのも見られました。 そのせいで渋滞を起こしている幹線道路もあり、何年か後には歴史の一コマとして、語られるのではと思ってしまいました。

Oil  色々なものが値上がっている春に、たった1ヶ月間でしたが安く給油できたのはありがたいことではありましたしたよね。

 まさにGW本番はこれからですので、レジャーなどで一般家庭でも燃料を多めに消費する時期でもあり、消費者心理としては頷けるところではあります。

  こうして、否応なく徴収される税金の、道路建設に特化されていた使い道を、他の用途にも振り向けようという方向で、総理大臣は検討しているようですが、何にしても有効に使っていただきたいと切に思います。 集めた税金を、歳出として執行する皆さんが、その重みを本当に理解し、血と汗の結晶であることに今一度思い至ってもらいたいと願うのみです。

 頼みますよ~ホントに。

2008年4月29日 (火)

「宋玄」最後の2本

2 一昨年ほど前から、晩秋から春にかけて愛飲しているお酒ですが、これにて最後の2本となってしましました。 と申しますのも、以前にも書きましたが、蔵元の都合で無濾過生原酒の出荷がなくなってしまうとのこと・・。時々訪れてはお世話になっている「酒のやまじん」さんの、07シーズン入荷分の在庫もこの2本で打ち止めだそうです。悲しや(涙)

 もちろん、お酒の銘柄そのものがなくなってしまうわけではなく、別のタイプの「宋玄」は入手可能とのことですので、どこかでお目にかかることもあるかも知れませんが、やはり自分としてもそれなりに惚れ込んで、こだわりをもって愛飲してきた以上、その態度を変えてはオトコが廃るというもんです。

 とはいえ、毎日の晩酌の友がなくなってしまうのも、それはそれで寂しい人生なので、オノレの心の切ない板挟みの中、今後の身の振り方について深く静かに想いを巡らす春の宵と言うわけです。Photo   

こういうときこそ頼りになるのがその道のプロ、造詣深き酒屋の若旦那さんのお世話になりつつ、新たな旨酒を探してまいりたいと思います。

酒のやまじん若旦那、私の大学の後輩でした、
手にしているのは「
小左衛門」という銘柄の、同店向けオリジナル酒だそうです。→

しかし、間もなく1日の最高気温が25℃を超える頃になると、やはり泡の出る冷たき飲み物がうまくなってくるので、次の銘柄探しは秋のお彼岸頃になるやもしれません。 

2008年4月26日 (土)

「つぐない」

Tsugunaiラヴ・ストーリーの名作か?オヤジも涙する悲恋物語。

 あちこちで高い評価を受けている作品でしたので、普段あまり触手の伸びない恋愛物語ですが見てきました。 大正解でした!

 基本のプロットは、深く愛し合う若き男女のかなわぬ悲恋物語なのですが、本が良くできているので全体の構成がとても骨太、そして、演出も極上です。


 第二次世界大戦前夜、舞台は夏の英国、物語好きの少女13歳のブライオニー(シアーシャ・ローナン)がたたくタイプライターのキー音に乗せた上品なBGとともに幕が開き、上流の暮らしぶりが披露されるかたちで、登場人物像などが描かれます。この冒頭は、お堅い文芸作品のニオイが強くて、ちょっと失敗だったかな?と思っていましたが、さにあらず、展開はどんどん深まっていきます。

 大学を卒業したばかりの美しい姉セシーリア=スー(キーラ・ナイトレイ)と、使用人の息子で一緒に育ったロビー(ジェームズ・マカヴォイ) は、身分を超え惹かれあっています。若い二人が次第に近づいていく様を、幼い妹ブライオニーが垣間見ることで、多感な少女がほのかに恋心を抱いていたロビーへの複雑な思いからくる思いこみと嘘により、悲劇へとつながっていきます。

 スーとロビーがぎこちなく、次第に深く近づいていく様子を、初めに妹の視線から描き、その後時間を戻し視点を変え、真実が描かれるという手法で、大人の世界と子供の価値観の差をうまく表現する演出が素晴らしいと思います。 二人のラヴシーンはエロチックですが非常に上品で、センスの良さを感じました。

 妹の証言によって濡れ衣を着せられ、罪人となったロビーは牢から出る代償として兵士になり、戦争が勃発したフランス戦線に送られ、姉スーは家を出てロンドンで看護婦として働いています。  戦時中ロンドン、二人のつかの間の再会シーンも美しく涙を誘います。 そして、二人への仕打ちの罪の重さに気づいた妹も、看護学生となって、負傷した兵士のいる病院で手伝いをしながら、相変わらず物語を書いていますが、さらっと語られるこのシーンに、後への複線も張られています。

 その後息をのむ映像が登場します。 敗走したイギリス軍が、ダンケルク海岸に集結し、「ダイナモ作戦」と名付けられた撤退を待つシーンですが、命からがらここにたどり着いたロビーと仲間2人が、丘の上から数十万人の人並みを見下ろし、「聖書みたいだ・・」とつぶやきますが、まさにスペクタクルな光景です。そこから数分間続く長回しの映像では、軍馬を射殺し、装甲車を破壊し、海を隔てた祖国に向きながら合唱する傷ついた兵士達など退却軍の現実が曇天のほの暗い色の映像で次々と描かれます。すごい! このあたりの映像作りが、単なる恋愛物語以上の深みを与えているのではと思います。

 そして、驚きのエンディング。 タイトルとなっている「つぐない」の意味と、それまで描かれてきたストーリーの重みにあらためて気づかされることになります。 作家となった老齢のブライオニーが語る言葉から、前半の悲劇に至るまでの演出法や、つかの間の逢瀬を過ごす二人への描写の必然にも納得がいきます。 

 是非ご覧になり、深い感動と余韻を味わってください。若き才能ジョー・ライト監督の力量が光る、素晴らしい作品、オススメです。


at TOHOシネマズららぽーと横浜

2008年4月19日 (土)

「The FEAST」

Feast_1_1b  B級ホラーのエッセンスを思いっきり詰め込み!驚愕?展開のスプラッター。

劇場ではあまり観ないB級ホラーを鑑賞してきました。かのマット・デイモンとベン・アフレックコンビ主催の新人発掘脚本コンテスト「プロジェクト・グリーンライト」から誕生した作品だそうです。

 90分に満たない短い作品でしたが、かなり楽しめました。当然グロあり、お色気あり、おバカネタありのこれぞB級というお手本のような出来だというのが総括(笑)です。 少し前に上映された、タランティーノとロドリゲスの企画モノ「プラネット・テラー」「デス・プルーフ」に勝るとも劣らないバカバカしさでお腹いっぱいになります。米国の"グラインドハウス"で観たら、大爆笑と指笛ヒューヒューの渦に巻き込まれるのではないかと想像してしまいました。

←オソロシげな姿が描かれたチラシ。果たして・・?

 冒頭、登場人物のキャラをシリアスなストップモーションで順に紹介していくのですが、その説明テロップにそいつらの寿命が書かれているのにいきなり笑わされます。英語力に乏しいので、字幕の説明を読むのですが、原文を理解できたらもっと笑えたかもしれません。 しかし十数人の登場人物のキャラとポジションを覚えるのは辛いな~と思っていると、いきなり数人がモンスターに食われてしまうので、全く心配無用でした。やられた(笑)

 普通のホラーでは餌食にならないとされているキャラクターが次々やられたり、次はこいつが死にそうだという所謂フラグの立ったやつが以外とがんばったりと、定説を覆す展開は痛快です。 一番可笑しいのが、でかくてヌメヌメでグロ、凶暴モンスターが、殺された我が子の代りを生み出すために"繁殖のための愛の行為"をしてしまうシーンです。(どひゃ~!!)  

 他にも、今流行り言葉でいうところの「ありえない!」展開の連続で、「既存のホラー映画に似てないものを作った」というふれ込みも、まんざら大袈裟でないかなと思います。

 当然、大多数のみなさんに受けるタイプの作品ではないのですが、映画のひとつの醍醐味を味あわせてくれますから、洒落のわかる方よろしければ・・というところですね。 

 念のため申し添えておきますが、ホラー映画なので、それなりに怖く、ドキドキします。コメディの笑いではありませんからお間違いなく。

 FEASTの意味を知らなくて後から調べたのですが、祝宴、 ごちそう、 楽しみという意味らしいです。なるほど・・!


at シアターN渋谷

2008年4月16日 (水)

写真展「20世紀の巨匠たち」

20 久しぶりに都心に出る機会ができましたので、少し前に新聞広告で知った写真展に行って来ました。 東京駅大丸デパートの美術館で開かれている,“「写真」とは何か 20世紀の巨匠たち”という企画です。

デパート入り口の液晶パネル。このときはキャパの写真が→

「美を見つめる眼 社会を見つめる眼」という副題がついていますが、そのとおりに展示作品のテーマは幅広く、芸術的なものから社会的なものまで多岐にわたっていました。


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アンセル・アダムス
「中庭のドーム」
「白い枝」





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エルンスト・ハース

「シチリア島の春」
「インパラ」


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ユージン・スミス

「楽園への歩み」
「サイパン島、米兵により発見された傷ついた幼児」







今回出展されていたなかで、好きな作家3人の代表作を並べてみました。静止画がこんなにも雄弁に語るということが少しは伝わるでしょうか? 

以前風景写真に傾倒していた頃、北アルプスで知り合った愛知県在住のマチュア山岳写真界の巨匠から、ここに載せたアンセル・アダムスの「ゾーンシステム」という手法を教わり、一時期その教本の撮影について書かれた部分の翻訳に取り組んだことがありますが、数ページでギヴアップしました(汗)。 オリジナルプリントを見るのは初めてですが、噂どおりの息をのむ美しさで、しばし立ち止まって見入ってしまいました。Ticket

ハースは、ほとんどモノクロ作品の展示の中で鮮やかさを際だたせていましたが、今回は風景作品のみ取り上げられていました。モンローやミック・ジャガー等々映画スターやPopスターなどのスナップも有名ですので、こちらも見たかったですが。

そして、社会派ユージン・スミス。水俣病の告発写真で、日本とも深い関わりがある作家です。作風はセオリーとは少し違った仕上げをした作家なので、ご興味のある方はそのテクニックや意図などについて調べてみてはいかがでしょうか? 

 

2008年4月 9日 (水)

かわいいキャラクターのプリントご注文

Postpet  こんなキャラクターをご存じですか? 
昨年末、大手インターネットプロバイダーさまのご注文でお作りしました。たまたまですが、風林堂がネット接続を契約しているのも同社です。

 「モモ妹」の公式ブログにも掲載していただきました。少し前の事ですがよろしければご覧になって下さい。 こちら こちら 

 実物の「モモ妹」はピンク色ですが、「ぷりんたぶるせんべい」は、現在黒一色の印刷ご注文のみ承っておりますので写真のような出来映えです。

  シンプルなイラストですが、黒のベタ塗りが多かったのと、下の社名文字が小さかったので、以外と難しかったと記憶しています。


Logo_3 手焼きせんべい風林堂のホームページはこちら おせんべいにオリジナルメッセージや絵を印刷「ぷりんたぶるせんべい」の詳細はこちら 

2008年4月 7日 (月)

「バンテージ・ポイント」

綿密に練られた脚本に唸らされる、息をもつかせぬサスペンス&ノンストップアクション。

Poster1  上映時間90分と比較的短めの作品でしたが、120%楽しめました。黒沢明監督の「羅生門」のサスペンス手法をなぞったとの解説もありますが、哲学的表現があるわけではありません。

 合衆国大統領が、公衆の面前で狙撃され、尚かつ同じ現場で爆弾テロも起きるというというショッキングなシチュエーションを、関連した8人の登場人物の視点から映像化するという凝った手法で、まさしく映画の醍醐味を堪能させてくれました。 

 初めに、群衆の前で演説する大統領の姿を中継するTVクルーが登場、その生中継の最中に事件が起きます。そのTV中継クルーの映像配信の様子が、作品のその後の映像作りをナビゲートするがごとく象徴しています。 続いて主役のデニス・クェイド演ずるシークレットサービス"バーンズ"の、早朝の場面から、爆発後までが描かれますが、その朝の場面に戻るまでの時間を逆行させるのに、ビデオテープをキュルキュルっと巻き戻すかのような映像で見せてくれます。 大統領狙撃と、大爆発シーンとその後少しだけ進展する展開・・そこからまた次の登場人物のパートへと移ってゆく際にもやはりキュルキュル戻りが繰り返されます。(その度に大統領は撃たれ、爆発が起きるのですが・・。) 

 ん!また戻るの?と、何度も思いつつ見進んでいると、その都度最後に少し新たな展開が入ってきて、真実に近づいてゆくという手法も、小憎らしいくらい計算されています。

 フォレスト・ウィテカー演ずる旅行者が持っているハンディビデオが犯人捜しの道具になったり、バーンズが、TV中継車の放送用ビデオテープから真犯人を見つけ出したりと、映画全体の作りに、時間を逆行して映像を再現できるビデオの特徴をうまくリンクさせているなと感じました。

 この作品のおもしろさを文章で伝えるには、私の作文力はあまりに拙いので、是非劇場でご覧になることをお勧めします。 後半のカーアクションも上級ですし、8つのパートが最後にリンクして、なるほどと納得することで、そこまでのストーリーが、とても綿密に創られていたことに感心させられると思います。脚本の勝利というところでしょうか?

  少しだけ(?)が浮かんだのは、今どきの映画にしては、米国大統領の描き方が好意的過ぎるかなという点ですが、自分の身を挺して最高権力者の警護をする役目のシークレットサービスの活躍には、大統領をそれなりの人物に描かねばならない宿命があるタイプの作品なので割引きを差し上げなくてはいけないですね。

 犯人達の思想信条や、国籍・セクトなど説明的な部分はありませんので、政治的な側面はほとんどない純粋な娯楽作品です。 DVD化されたら、ストップやスロー再生を駆使して、意地悪く細かい点まで何度もチェックしながら見てみたいです(笑)


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手焼きせんべい処相模原風林堂のおせんべい日記

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