前天皇の生前退位を受け、新元号「令和」となった2019年も、今日で暮れようとしています。いつものように、個人的に1年を振り返って見たいと思います。
2019年最後の日の出
会社として、一番大きい出来事は、秋の消費増税と、それに伴う軽減税率適用税制でした。政府主導で同時に進められてきた、キャッスレス決済導入と合わせ、複数税率に対応し、フィンテック機能も兼ねたハイテクレジの導入と運用開始は、販売現場を大きく変えることになりました。そして、税制改正から3ヵ月が経過し、売り上げと仕入れの実績が積み上がる中、経理の場面では、8%と10%の税率混在による煩雑さが事務処理の負担増になってきています。いずれ慣れてくるとは思いますが、制度が続く限り、税率併用記載は続きますので、ここに投入されるコスト増には、看過できかねるものがあります。食品販売を専業にしている風林堂は、商品にかかる税は、すべて8%の据え置きとなりましたが、多品種を扱う事業者、特にイートイン、持ち帰りが両立する飲食販売現場での混乱は、報道で目にするとおりです。
商品原価に占める食品以外のコスト、包装や流通、設備の維持管理費、光熱費等々すべては、2%の増税となっていますが、食品の税は8%のままですので、増税分をお客様から預かることができません。放置しますと、この分が利益を圧縮することになってしまいますので、近い将来、商品価格に転嫁せざるをえません。商品価格の値上げは、お客様に対してプラスの印象を与えることは、絶対にあり得ませんので、とても苦しいところです。いっそ、自動的に一律増税となったほうが、説明の必要もなく望ましかったと思っております。制度を主導した政権与党は、社会弱者への配慮を謳い、胸を張っているようですが、この現場の実情をどう見ているのか、見解を目にすることはありません。
ポイント還元で話題となっている、キャッシュレス決済については、特に、まとめ買いのお客様が増える年末は、その比率が多くなり、日によっては、売り上げの2割くらいを現金以外が占めることもありました。決済事業者が、顧客囲い込みのため、いろいろな優遇策を講じていることに加え、来年6月までは、税金による還元がなされる訳ですから、消費者のメリットがとても大きいのは間違いありません。以前から話題になっていますが、ポイントによる収入は課税対象ではないので、全額手元に残ります。決済事業者によっては、買い上げ金額の数パーセントを還元し、更に政府の還元を加えると、買い上げ金額の、優に1割を超える率で、無税で手に入ります。流動性は、ほぼ現金と変わりませんから、預金や国債の金利と比べると破格です。
では、物販事業者のメリットは何でしょうか? レジを閉める際に、現金を数える手間が軽減される・・・くらいでしょうか。キャッシュレスでの支払い手段ですと、お金が減ることへの心理的負担が軽減され、現金払いより、より多く支出するという傾向が見られると、専門家によって解説されています。これは、商品が溢れているショッピングセンターや、量販店などではあり得るケースかも知れませんが、決め買いご来店がほとんどの、単商品販売の専業商店では、おそらく当てはまらないでしょう。としますと、数パーセントの決済手数料と、入金までのリードタイムは、現金取引と比べ、明らかに負担増になります。世の中の流れに沿って、お客様の利便性に沿う対応が必要なのはそのとおりですが、ここでも発生する新たなコストへの対応は。これからの課題となります。
商品の販路については、昨年初夏より新たにお取引いただいている大手の流通イオンで、昨年の橋本店に続いて、市内古淵の国道16号に面したイオンSC相模原店の銘店コーナーで、お取り扱いが始まりました。駅前立地の橋本店と異なり、大規模駐車場が隣接された、ローダーサイド型の大型ショッピングセンターで、売り場面積も大きく、年末には多くの受注がありましたが、完全対応できない状況でしたので、来年に向けた課題としています。
8ページの冊子型パンフレット
一方、自主的に取り組んだテーマとして、お店と商品を紹介する、冊子型のパンフレットを製作しました。約2ヵ月をかけた企画製作期間を経て、12月の初めに完成しました。これは、日商が窓口になっている補助金制度を利用したもので、小規模事業にはイニシャルコストがネックになり、ハードルが高い、高品質な印刷物製作が、総額の3割ほどの自己負担で実現可能になったものです。完成後は、市内の各所に配布、設置していただいております。ボーノ相模大野ショッピングセンター内「sagamix」、市内の老舗旅館「あさひや」、北里大学病院前ホテル「パラディス・イン」、SC相模原せんべいでコラボしている「ローソン・スリーエフ富士見町店」などです。風林堂の店舗にご来店いただいたことのない、見込みお客様層に対してアピールできると確信しております。
プライベートでの大きな出来事は、昭和一桁年生まれの父親が、初夏に起きたケガによる3ヵ月の入院を経て、要介護4の状態になって戻ってきたことです。いずれ訪れるかもしれないと、ぼんやり考えていた事態が、いきなり現実になったことは、家族にとって大きい出来事でした。高齢者介護は、日本全体の問題と重なりますが、これからどのように対処して行くのが良いのか、試行錯誤の日々です。
こんな出来事があった平成元年も、今日一日を残すのみです。明日の元日と2日はお店もお休みさせていただき、年末の繁忙で、かなり疲れた体と心を暫し休めて、新たな年への準備をして参りたいと思っております。
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●店長酒井浩の私的興味事を中心に書いているブログ相模原徒然
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